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風宮 雅俊さん

テーマに沿った物語を、どのくらいのレベルで書けるかな? と言う事で登録してみました。 アマゾンの電子書籍キンドルで作品出してます。こちらも宜しくお願いします。 ツイッター: @tw_kazamiya

性別 男性
将来の夢 世界一周の船旅で、船室に籠って小説を書く事
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ヴァージンロード

17/12/04 コンテスト(テーマ):第150回 時空モノガタリ文学賞 【 悲劇 】 コメント:0件 風宮 雅俊 閲覧数:113

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「新婦の入場です」
 厳かな雰囲気の中、新婦は父親にエスコートされてヴァージンロードを一歩一歩ゆっくりと歩いてくる。漆黒の様な艶やかな髪、純白のウエディングドレスがくすんで見えてしまうほどに白く透き通る肌。参列者の誰もが見惚れてしまっていた。
 一歩一歩近づく新婦を見守る新郎は、出会いから今日までの新婦との時間を思い返していた。そして、これから過ごす二人の時間と生まれ来る子供との時間を前に、愛情と責任を新たにしていた。

 二人の結婚を祝福するかのように雲一つなく晴れわたり、厳かな雰囲気のなか式が始まろうとしていた。


 新郎側参列者席での友人AとBの会話
「美人じゃないか。しかも非の打ちどころのないプロポーション。なんで俺の嫁じゃないんだ、あいつには勿体ない」
「いやいや、他人の結婚式で言う事じゃないでしょ」
「ところで、急に結婚が決まったよな。付き合っているのも知らなかったよ」
「飲みに行かないし、婚活パーティーに参加している話も聞かなかったし。僕も、招待状を貰って初めて彼女がいたと知ったよ。なんでも、お腹が膨らむ前にウエディングドレスを着たいって言われて予定を繰り上げての結婚式らしいよ」
「そうなのか? 出来ちゃった婚なのか? やっちゃった婚なのか? 俺が残業している時になんて羨ましい事をしていたんだ。しかも、部長に仲人をお願いするなんて」
「そうだよ。社内最強の部長の派閥入りだからね。将来は安泰だね」
「これで、嫁さんは美人。出世コースで将来は安泰。羨ましいよね」


新婦側参列者席での友人CとDの会話
「結構イケメンな新郎ね。今度はどこで見つけて来たの?」
「秘密って言われちゃったのよ。ただ、知人の紹介らしいよ」
「えー怪しい。探偵使って物色したんじゃない?」
「それ、あり得る。彼女と大手企業の新郎が出会える機会があるはずないよね」
「大手企業なら専業主婦でも生活できそうね。いいなぁ、プライベートATM」
「でも、子供出来たら悠悠自適な生活もお終いよね」
「ピルで避妊しているって言っていたわよ。暫く子供作らないんじゃないの」
「ピルだって・・・・、新郎は子作りしてると思っていたりして」
「彼女なら遣りかねないわね。専業主婦気取りのヒモよ」
「昼はおしゃれなところでランチして、ブティックで買い物して、全部新郎名義のカードでお支払い」
「でもって、残業で深夜帰りの新郎にはスーパーのお惣菜・・・・。彼女ならやるわね」
「結婚後の事も考えているんじゃないの・・・・」
「結婚後? なに考えてるの?」
「婚姻届けと一緒に、生命保険にもサインさせたってよ」
「マジ? それ、頂きました」


 厳かな雰囲気にも、温かみのある神父の声が最後の誓約を問うていた。
「・・・・、死が二人を別つ時まで・・・・ 守る事を誓いますか?」
 ベールに隠された新婦の口元に浮かぶ笑み。
「はい、 誓います」


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