望月ひなたさん

性別 男性
将来の夢
座右の銘

投稿済みの作品

0

羽化

17/12/01 コンテスト(テーマ):第148回 時空モノガタリ文学賞 【 ホラー 】 コメント:0件 望月ひなた 閲覧数:216

この作品を評価する

少年は独り、ドアも窓もない部屋で目を覚ました。
四面がコンクリートのような灰色の物質で覆われ、その立方体の内部には何もなかった。
しかし、部屋全体はほのかに明るく曇天のような光を放っていた。
少年はどこか一方を眺めたまま、部屋の中心に立ち竦む。着ているものは真っ白で縫い目がなく、パジャマのような形をしていた。

少年はそれからはずっとそこにいた。
夢見心地でずっと立っていた。

一年、二年、三年......
時間は流れていたが、少年は目覚めた時と変わらず、同じ状態で息づいていた。

しかし突然、ずっと変わることのなかった灰色の箱に亀裂が入った。
みし、と箱が殻のように潰れ始める。割れたところから眩い光が射し込んだ。
少年は目を見開き、顔色を青くして境界を見つめる。
壊れていく灰色の殻が、より大きな世界に呑み込まれていく光景を、少年はなす術もなくただ眺め続けていた。


コメント・評価を投稿する

コメントの投稿するにはログインしてください。
コメントを入力してください。

このストーリーに関するコメント

ログイン