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有屋春さん

初めまして。農家でダンサーの有屋春です。

性別 男性
将来の夢 自分の短編集をなるべく安い値段で出したいです。小説に興味ない人の読むきっかけになったらいいなと。
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愛があればなんでも

17/11/22 コンテスト(テーマ):第148回 時空モノガタリ文学賞 【 ホラー 】 コメント:0件 有屋春 閲覧数:140

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ある日、妻の里見がちょっと話があるんだけどと言ってきた。こういう言い方をする時は大抵言いにくいことを話す時だ。さて、思い当たることは特にないんだが、、
あれこれどんな話があるか大して気にせず待っていたんだがその話は予想とは全然違った。
その話とは実は里見はどMで暴力的なセックスが好きだという話だった。アブノーマルだし嫌われるかもとずっと言えなかったそうだ。

私はかなり衝撃を受けた。そういうプレイが好きだということにもびっくりしたが何よりこれだけ長い付き合いだというのにそれを知らなかったことに。今までしてる時は満足してもらえてなかったんだろうか。。

長い時間、里見と話し合って少しずつそういうプレイをしてみようということになった。私はノーマル派なんだが里見の為と思って頑張ることにした。その日は最初だから軽めにと手を縛って目隠しをしてやってみた。うん。このくらいなら私も楽しい。というか興奮した。

その日を境に里見のお願いはエスカレートしていった。縛った後が出ないようにと布で軽く縛っていたのを縄できつく縛って欲しいだの、ひどい言葉を言って欲しいだの、首を絞めたり殴って欲しいだの。私はさすがに殴るのは抵抗を感じると言ったがどうしてもと言われしょうがなくした。軽めじゃダメだと言われ仕方なく痣ができるくらい殴ることもあった。

そんなアブノーマルな毎日になり、少し混乱していたが里見はすごく満足しているようだった。セックスの間は嬉しそうに見えないのだが終わった後、満足気に縛られた後や殴られた後を見てにやにやしていた。

私は少し恐怖を覚えたがアブノーマルなことが好きというのはそういうものなんだろうと勝手に納得していた。ある程度私も慣れてきたのかもしれない。
そうやって少しずつ慣れてきた頃、里見から新しいプレイの提案を出された。それはイメプレだった。献身的な妻を暴力的な夫が無理矢理犯すというシュチュエーションでやりたいそうだ。ある程度場数を踏んだからか私はそれほど気にせず承諾した。

プレイはご飯とお風呂が終わってからなんだがこういう日は必ずお酒がでてくる。私はお酒に強くなくすぐに酔う。そして酔うと加減が効かなくなり強めに殴ってしまう。それが里見は嬉しいのか必ずお酒を飲ませるのだ。

お風呂から上がり気持ちを高ぶらせて部屋のドアを蹴りながら入る。
「おいおい!旦那が一生懸命仕事して帰ってきてるのに家でのんびりしてたお前が先に部屋で休んでんじゃねーよ!」
里見は悲しそうな顔をしながらすいませんと言った。彼女も演技に入っているようだ。俺は乱暴に彼女の髪を掴んでベッドに押し倒した。それから無理矢理服を脱がし殴り、プレイを行なった。たくさんの暴言を吐き、彼女がやめてという言葉を聞きながらもこれは演技だからとやめずに最後までした。終わった後にはお酒が入ってたこともあり私はすぐに眠ってしまった。お酒が入った私は寝てしまうと何をされても朝まで起きない。里見に悪いなと思いながら私は深い眠りについた。

朝、目を覚ますと里見の姿が見当たらなかった。気になりつつも仕事があるため急いで準備をして出かける。もしかして昨日のプレイは激し過ぎたのだろうか、不安になりながら何度も電話をかけたが里見がでることはなかった。

それから何日経っても里見は帰って来ず里見の実家に行くか警察に連絡するかで悩んでいると家のインターホンが鳴った。私は慌てて玄関のドアを開けた。しかしそこには知らないスーツ姿の男がいた。妻が帰ってきたと思ったのに営業かよと追い返そうとした。しかし男は営業ではなかった。彼は弁護士だった。

詳しい話を弁護士から話されても最初、私は意味が分からなかった。
頭が混乱したまま法廷に行くことになりそして私は処罰された。
法廷に行ってようやく理解したんだが私はずっと前から妻に愛想をつかされていたらしい。そして妻の、いや里見の計画にはめられたらしい。
里見は私と別れたかったみたいだ。しかしこの歳で別れたところで生きていくのも大変である。そこで慰謝料をもらえて別れる方法として考えたのがプレイだ。彼女は縄で縛られた腕の後や殴られて痣になったところを写真に撮ったり、病院に行って診断書を作ったり、さらに部屋に隠しカメラを設置してイメプレの動画を撮ったりしていた。イメプレの動画が撮れたことでもう十分と思ったのか彼女はその日に実家に帰りいつも暴力を振るわれていると嘘泣きで説明。そして弁護士に頼み、今に至るのだろう。
私はというとありのままを話したが提示できる証拠などなく、彼女のイメプレの動画が決め手となり有罪になった。

私はそれから何もしなくなった。たぶん、愛があればなんでもできるんだろう。だが私は、死ぬまで愛を信じることができそうにないのだった。


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