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土佐 千里さん

とさちさとです♪田舎でのんびり過ごしています^^

性別 女性
将来の夢 安定した老後をおくること
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願いが叶う時

17/11/14 コンテスト(テーマ):第148回 時空モノガタリ文学賞 【 ホラー 】 コメント:0件 土佐 千里 閲覧数:64

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今年、我が家にも子供が産まれた。慣れない育児に毎日大変。まだ3ヶ月だっていうのに、夫は今日から一週間、海外出張…。
「私も旅に出たい…」
そう呟いた由美は赤ちゃんを連れて隣街に一泊二日でぶらりと旅をする支度をし始めた。
旅行鞄に必要なものは揃った。銀行からこの旅のために少し贅沢に30万円おろしてハンドバッグへ。
あとはお化粧だけ。
三面鏡をひらき、化粧をするとため息をつく。
「はぁ〜あ、こんなにシワやシミが増えちゃって…結婚前はピッチピチのべっぴんさんだったのになぁ…歳をとるって嫌。鏡よ鏡‥」
そういって三面鏡を除きこみ、顔が一直線になった瞬間、旅行鞄と赤ちゃん、そして由美は一気に鏡の中に吸い込まれた。
由美は目の前に広がった世界に唖然とした。
そこはセピア色の世界だった。
まわりに人気が無く、三車線の道路が広がっていたが車も通っていない。反対側は荒れ果てた畑に、セピア色なのにひとつだけ赤い実がなった木が1本だけ奇妙に生えている。そして後ろには地下道の入り口の階段があった。
誰も人がいなかったので、由美は地下道の階段を降りてみることにした。
一つ目の出口らしい場所を見つけた。階段を上って外へ出てみると、今度はモノクロの世界だった。
本当に白と黒しかないが、先ほどの三車線の道路より、一気に都会になっていて、駅のまわりのように高層ビルが立ち並び人も歩いていた。
ホテルらしい建物があったので、とりあえず旅行鞄をおいて、散策してみることにしようと思い、入ってみた。
モノクロなので綺麗かどうか分からないがフロントで部屋の状況を確認する。
「すみません、本日一泊ですが空いてますか?」
「ようこそ、お待ちしておりました。鞄をお預かりしておきます。」
するとクラークは奥へ消え、ハンドバッグと赤ちゃんと由美だけが残った。
なんか、不気味だけど重い鞄がおけたし、ちょっと散策しよう。
外に出ると、百貨店がバーゲンをしているようだ。私も学生時代によく利用した百貨店と同じ百貨店だったし、モノクロだけど行ってみよう。
入り口を入って案内をみた。
「一万円以上で百万円が当たる福引きやってます。2階…時計、ジュエリー、婦人服コーナー」
「あら、今日は30万円もあるし、たっくさん買うわよ〜」そう言うと二階目指してエスカレーターを上った。
しかし、二階の空気は違っていた。そこにはなんと、銃を持った武装した男らが、周りのお客や店員を次々に撃っている。
地面に倒れた者は次々に溶けだしている。
あの銃は、なにか新しい生物兵器なのか。ひきかえしたいが、三階には行けないし、反対にまわらないと降りることもできない。
逃げる間もなく、男に見つかってしまった。
すると、すぐに由美をめがけて弾丸が飛んできた。
当たった!!‥が全く痛くない。
しかし、倒れたふりをしないと何をされるかわからないと思い、一度倒れてみた。そして銃の中身が塩の塊だったとわかる。
「なんだ…塩だったのね、さっさと逃げなきゃ」
そう思っていると武装した男達が一斉に由美のところへ駆け寄ってきた。
「お前は人間だな。塩で溶けない人種だ。それに指が五本ある」
よく見ると男たちは指が三本しかない。
「なんなの!?この人種は一体‥」
そう思っていると担架が運ばれてきて、由美と赤ちゃんを乗せられ、ハンドバッグは奪われた。
担架は先ほどのホテルに待ってましたというように運ばれた。
「ようこそ、当ホテルへ。おかえりなさいませ、お待ちしておりました。あなたは鏡の世界に来ました。あなたのお望み通り、もう二度と歳をとりません。ですからあなたが気にしているシワやシミも、もう増えないので、ご安心ください。そして、塩で溶けない人種は、今の若いままいられ、死ぬこともありません。当ホテルであなたには、本日付けでメイドとして働いてもらいます。あなたの赤ちゃんも歳をとりません。赤ちゃんの世話は引き続きお願いします。」
そう言われると由美は奥の狭い部屋の一室に案内された。


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