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デート 起承転結

17/11/06 コンテスト(テーマ):第146回 時空モノガタリ文学賞 【 デート 】 コメント:0件 いちこ 閲覧数:103

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「ねえ、あれってデートだったのかな?」
訊きたくて、口には出せない言葉。
私はあなたにとって、お友だち?
それとも少しは異性として意識してくれているの?
恐ろしいことに、お友だちですらない、ただの知り合いと思われているかもしれない。
だからいつまでも訊けずに、うじうじと悩んでは気を惹こうと空回りして、きっとうんざりさせている。

『おはよう』
時々スマホに届くメッセージ。
朝から私のことを思い出してくれたのかしら?
それともこれまでの話題を打ち切るための口実?
考えたくないけれど、私をストーカー化させないための最低限の連絡のつもりなのかもしれない。
だからおはよう以外の返信をして良いか悩んで、でも嬉しさを抑えきれず、余計なあれこれを送って返事を望んでしまう。

「会いに行っていい?」
何度も打ち込んでは消した問いかけ。
最初のデートから2年と3ヶ月。
最後のデートから3ヶ月。
デートだと思っているのは私だけかもしれないけれど。
想いは募り、書いては消してを繰り返す。指が滑って「送信」に触れるその日まで。

『来るなら帰る時は死体だよ』
幻覚の中で頭に響く声。
それは、死ぬまで一緒だよってことなの?
それとも言葉通り、会ったら殺したくなるくらい私を嫌いだというの?
きっと後者だろうといつものように卑屈になっても、それさえ甘美な妄想に変わってしまう。
その手で殺されるのなら、それでも構わない、むしろそうして欲しいとさえ思える。


「あなたのことを好きです」
最後まで告げられなかった言葉。
夢に生きる私が見た儚い夢。
ひとときでも心を華やがせてくれた。
夢と現実。理想と現実。虚構と現実。
すべては寂しい私が描いたフィクションなのかもしれない。
願わくば、あなたの存在が、あなたと歩いたあの日が、私の中だけでなくあなたにも存在しますように。


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