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泡沫恋歌さん

泡沫恋歌(うたかた れんか)と申します。

性別 女性
将来の夢 いろいろ有りますが、声優ソムリエになりたいかも。
座右の銘 楽しんで創作をすること。

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Q :ネトゲに出会いを求めるのは間違っているだろうか?

17/11/06 コンテスト(テーマ):第146回 時空モノガタリ文学賞 【 デート 】 コメント:3件 泡沫恋歌 閲覧数:114

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週末になると僕のスマホにLINEが送られてくる。
 ロキ:『お腹すいたー!
     ご飯おごって〜!!』

僕のことをお財布携帯だと思ってる奴がいるのだ。

 ヒミコ:『給料もらったばかりだから
      焼肉食べ放題くわせてやる』
 ロキ:『やった―――!!
     焼肉イェーイ!!』

そして待ち合わせて、焼肉店へ行くのだ。
「マトモなご飯食べるの久しぶりだよん」
僕にばかり肉を焼かせて、口いっぱいに肉を頬張り、あいつは食べるのに必死だった。
「じゃあ、一週間ぶりのたんぱく質か?」
「うんうん」
先週も僕の奢りで回転ずしを食べた。どういうわけか、週末の飯は僕の奢りと決まってしまっている。
金がないとき、あいつはポップコーンの大袋を買って、それを三日に分けて食べるという、悲惨な食生活を送っている。
「なあ、ちったーマトモな食事もしろよ。おまえだって働いてるんだろう?」
「今週はガチャを回し過ぎてお金がない」
「そういえば、新しいアイテムガチャ出たもんなあー。課金もほどほどにしとけ」
あいつは重課金者だ。ネトゲの餌食にされてることに、いい加減気づいて欲しいと僕は思っているのだが……。
「働いた金をリアルで使う気ないもん」
本人はネト充生活を捨てる気などさらさらない。
リアルを捨てて、バーチャルに生きる、あいつのことが危なっかしくて、放って置けない僕がいる。

Q :ネトゲに出会いを求めるのは間違っているだろうか?
 
あいつと知り合ったのは、とあるSNSのソーシャルゲームだった。
ネトゲ初心者の僕はダンジョンで敵にボコボコにやられていた。そこを何度も助けてくれたのが勇者ロキだった。
高いレベルとハイスペックの装備、ネトゲではまさに憧れの勇者だった。あいつのギルドに入れてもらい、僕はヒーラーとして後方支援にあたっていた。
その内、ネトゲの世界で親しくなった僕らは結婚した! といっても、ネトゲの夫婦でいわゆる“ネトゲの嫁”に僕がなったわけだが――。
実は僕のHNはヒミコ、女性アバターのネカマなのだ。あいつは勇者ロキという男性アバターだったので、リアルのオフ会までお互いの性別を勘違いしていた。これがネットの怖ろしいところだ。
ネットでは夫婦だが、リアルでは違う。僕らは恋人同士でもないし……ただのお財布携帯なこの僕だ。
週末に待ち合わせて飯を食って、ネカフェで行って、ネトゲするのがお決まりのコースだった。こういうパターンにも、なんだか飽きてきた。
「なあ、たまにはデートらしいことしない?」
「えっ?」
網に貼り付いた肉をはがしながら、あいつが驚いたようにこっちを見た。
「デ、デートとかしたことないし……」
急に頬を赤らめて答える。ネットの人にはリアルでの耐性がないのだろう。
「ふたりでさ、待ち合わせて、映画を観て、食事をして……その後はホテルでラブラブな時間を過ごすとか……」
「却下!!」
僕の提案をあいつに却下された。
「なんでだよ?」
「だって、ヒミコとはネトゲのダンジョンでいつもデートしてるもん」
「……といっても、リアルでもカップルらしくしたい」

Q :ネトゲに出会いを求めるのは間違っているのか?
 
オフ会で初めてロキを見たとき、可愛いいと思った。化粧っ気もないし、服装も地味だったけど、ちゃんとすればそれなりにイケルと思ったんだ。それでLINEのアドレスを訊いて、週末だけだけど、こうやって会うこともできた。
僕としてはネトゲの世界だけでは物足りない、リアルでも一歩先に進みたいのだ。
しかしリアルで会うようになってから半年、まったく進展がなく、あいつのことを何もしらない。知ってることといえば、LINEアドレスとフリーターをしながら、独り暮らしをしていること、年齢は僕より三つ上ということくらい、リアルでもHNで呼び合う仲なのだ。
「おまえは僕のことが嫌い?」
「ううん。そんなことない!」
「ネトゲの方が大事なくせに……。僕が残業でインできない時もおまえ一人でボス部屋で戦ってるじゃないか?」
「勇者ロキはネトゲの嫁ヒミコを守るために強くならなければならないのだ。そのためのミッションなのだ!」
あいつの頭ん中は100%ネット脳だった。
就活に失敗した、あいつの心の拠りどころはネトゲだけ。僕だって、残業の多い、男ばかりの職場で出会いなんてない。週末にデートする相手もいなかった。
――ここまで話して分かったことだが、これがあいつの僕に対する愛の形だと。

Q :ネトゲに出会いを求めるのは間違っているのか? 
A :いや、別にいいんじゃないの。ダンジョンだって、ふたりで行けばデートなんだし――。それであいつが幸せならば、もう少し、こんな関係を続けていってもいいなあと思った。ネト充からリア充になるための、これが僕のミッションなのだ。


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このストーリーに関するコメント

17/11/06 泡沫恋歌

イラストはアニメ「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?」からお借りしました。

私はネトゲはやりませんが、うちの娘はゲーマーです。
てか、そういうスキルを活かせる職場で働いていますから。

17/11/07 霜月秋介

泡沫恋歌さま、拝読しました。

え!まさか男同士…かと思いきや、そうではなくて安心しました(笑)
出会いがソーシャルゲームであれSNSであれなんであれ、それはあくまできっかけであり、そこから恋に発展させるのはネットの力ではなく、人間の努力、感情なんでしょうね。

17/11/07 泡沫恋歌

霜月秋介 様、コメントありがとうございます。

たしかにおっしゃる通りです。
出会いはともあれ、好きになるかどうかは、本人同士の努力や感情だと思いますね。
きっと、このふたりはリアルでも惹かれあっていけると思っています。

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