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善行さん

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バイトと仕事

17/11/05 コンテスト(テーマ):第146回 時空モノガタリ文学賞 【 デート 】 コメント:0件 善行 閲覧数:124

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「せっかくここまで来たのだから、写真撮ろうよ!」
腕を引っ張られ、真夏の熱い砂浜を走らされ、海と江の島をバックに無理矢理写真を撮らされた・・・
自撮りも最近の若い娘は上手に撮るもんだなぁ。
感心する。パッと構えて、さっと撮影。
昔なんかは、撮影といえばフィルムであったから、気合いをいれて、斜に構えて撮影に臨む。
そんな時代はもう石器時代クラスな古さらしい。
「そんなにぼーっとしてないでさ。せっかくなのだから、楽しもうよぅ」
デートってこんなに朝早くから行動するものなのだって初めて知った・・・
この二日間、雑誌を三冊も読み漁って考えたプラン。
何度もシミュレーションしたのに、なんの役にも立たないくらいの奔放な彼女。
「次は水族館いこうか?」
「えぇ〜疲れたよ〜。鞄もってぇ??疲れちゃったぁ」
「まだまだ予定いろいろと考えてきたんだよ。どれも行けてないけどさ」
・・・・・・
昔と今で変わらないものは時の流れ。楽しい時間ってあっと言う間なのは、昔も今も全く同じ。
「今日は楽しかった。また頼めるかなぁ」
彼女に3人の諭吉をそっと渡した。
「いいよ!こんなおいしくて、楽しいなら、いつでも連絡して!」
そんな屈託のない笑顔をされると、明日は?っと聞きたくなってしまう。
「じゃ〜ねぇ」
歩きながら顔を見られないように軽く笑った。
本当に日本の男ってチョロいわ。少し笑顔にして、愛想よくしていたらこれだもんなぁ。お金はすべて出してくれるしさ。
必要経費はここまでの交通費だけだもん。それで日給3万。儲かるぅ。
デートだけ。
そんなことを考えながら、そろそろ見えなくなるかなぁという絶妙のタイミングで振り返り、最後会心の笑顔を見せながら手を大げさに振った。

男はそんなことも知らず、本当の彼女と別れるように手を振り、笑顔で颯爽と雑踏へ消えていった彼女の後姿を見ていた。ポケットに入った使い慣れない携帯を握りしめ、ぼーっと今日の余韻を楽しむかのように。
・・・・・
携帯の写真からでも指紋が取れて、その指紋で携帯のロックが解除できる。
そして最近の技術の進歩は激しいのに、逆に最近の日本人は本当に緩くなった。
SNSが流行りだしてからというもの、写真も撮り放題だし、外で撮影していても誰も疑わない。
普通、他人に鞄なんか普通持たせない。
安いもんなんだよなぁ。こっちも楽しめたしさ。
もう少し頭が良ければいい娘なんだけどなぁ。
「さてと、あとはこの携帯の画像を全部吸い出して、、、。あっこのアドレス帳も売れるなぁ。会話履歴も面白いから上げとこっと・・・」
ほんとなんでもネットは売れるなぁ。ボロい商売だよなぁ。
背もたれに体重をかけながら天井を見上げ、一人声にならない声でつぶやいた。
情報漏えいも何だかんだいいながら、私は大丈夫とか思っているから、逆にやりやすい。
あんとき俺も気を付けとけば、こんな因果な商売しなくても食べていけてたのに・・・。
そんなことを考えながら一人、パソコンのモニターの光だけの部屋の中で笑いながら、彼女との様子を思い出し、編集作業とupを淡々と繰り返した・・・


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