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土佐 千里さん

とさちさとです♪田舎でのんびり過ごしています^^

性別 女性
将来の夢 安定した老後をおくること
座右の銘 ありがとうという感謝の心

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人生は風まかせ

17/11/04 コンテスト(テーマ):第147回 時空モノガタリ文学賞 【 迷い 】 コメント:0件 土佐 千里 閲覧数:171

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僕はタンポポの綿毛のひとつ。
いま、まさに旅立とうとしている。
これまで大切に育ててくれた女の子、ありがとうね。
ここはその女の子がすんでいる裏庭。

あれは、とある晴れた春の日だった。モンシロチョウと戯れながら、女の子は僕のことを見つけてくれた。それから毎日、僕のところに駆け寄ってきて、小さなじょうろで水をくれ、大切に育ててくれた。

お陰で、今、僕は50もの兄弟と一緒に旅に行くことができる。
僕の兄弟のなかには、またこの女の子に育ててもらいたいと言って、長旅をせず、すでに着地したものもいる。
でも、僕は、せっかく立派な綿毛もあるし、もっと色々な世界を見てみたい。だから今、僕の残りの兄弟たちと旅立つんだ。

僕達は春風にのって、一斉に飛び立った。

旅の途中で兄弟達は次々と着地していく。川や海で泳いでから、たどり着いた先で生きると言って、水面に飛び込む兄弟達。また、蟻の巣の中を見てみるのが夢で、あとは、冬の食料になるんだと言って、蟻の巣に身を投げ込む兄弟もいた。鳥の羽にくっついて鳥と一緒に旅をしてから、その先で花を咲かせる道をえらんだものなど、気づくと、50ちかくいた僕の兄弟は、すでにそれぞれの道を決め、とうとう、僕一人になっていた。
色々見てきたけど、特に魅力ある場所が見つからない。今になって思えば、またあの女の子の所に戻りたくなったが、道に迷って戻れない。いま、まさに人生にも迷ってしまった。もう、心も綿毛もボロボロになっている。
せめて、あの高い山のてっぺんを見てみたいけど力尽きた…。
僕はボロボロの綿毛で山の5合目に落下した。周りには、僕の仲間はいなかったが、オオイヌノフグリとオオバコとホトケノザが僕を歓迎してくれた。
この仲間達と来年、またきれいな花を咲かせよう。てっぺんは見れなかったけれど。風まかせになった僕の人生だったけれど後悔はない。長旅で疲れ果て、横になった僕に、夏の始めの風が吹き、爽やかな木漏れ日がさした。


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