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ちりょう なひろさん

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もしも、君と。

17/11/02 コンテスト(テーマ):第147回 時空モノガタリ文学賞 【 迷い 】 コメント:0件 ちりょう なひろ 閲覧数:370

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「大学生活の四年間って、なにかやりたいことを見つける時間でも夢を現実にする為の時間でもなくて。社会からみれば、諦める為の時間でしょ?」
 高校三年の夏、進路先をあれこれと皆が悩む中、三芳は僕にそう言った。
 僕は時間と孤独が欲しかったから、地元を離れ大学へ進学したけど、それは三芳からすればただの甘えで、結局僕は中身の乏しい女の会話に合わせて酒を飲んでいた。
 なにも楽しいことがない充実した日々に苦しみながら二年が経つ、僕は三芳が今、なにをしているのかといつも考えていて、ただ、こんな自分を見られたくないから連絡も出来ずにいた。
 そんなある日、三芳を見た。
 三芳はテレビの中にいた。
 本を一冊手に持って、多くの人に読まれたいと願っていた。
 三芳にはちゃんとビジョンがあって、僕にはそれをちゃんと掴むための頭がなかったというだけの話だった。
 グダグダな生活の中で僕は書くことを見出せず、卒業し、就職する。この頃の僕は、三芳はもう僕なんかでは到底及ばない雲の上の人だと思っていたが、ある日突然三芳は落っこちた。

 彼女の住むマンションの一室、十階、頭から。

 ニュース報道で、即死だと聞いた。
 三芳がどうして自決したのか考えようとは思えなかった。
 ただ僕はタバコをふかしながら、三芳と同じ道を一緒に辿って行けたなら、三芳と一緒に死ねたかもしれない、と。
 すこしだけ後悔していた。


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