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土佐 千里さん

とさちさとです♪田舎でのんびり過ごしています^^

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花火とともに…

17/10/18 コンテスト(テーマ):第146回 時空モノガタリ文学賞 【 デート 】 コメント:0件 土佐 千里 閲覧数:188

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念願叶って、第一志望校に合格した和田麻美子。今日はいよいよ入学式。ドキドキしながら高校に行った。
麻美子は家が遠いので、高校まで、電車とバス通学。麻美子の席の斜め後ろにいた前田宏樹に声をかけられた。宏樹は坊主頭で野球をやりたいためにこの高校にしたそうだ。宏樹は決してイケメンではない、どちらかというと、いやはっきり言うとお笑い芸人よりひどいくらい崩れている。一方、麻美子は、女優のように整っていたので、宏樹は一目惚れしてしまった。その日から宏樹のアタックが始まる。
「和田さんて、家どこなの?」
「清部村よ、だからバスと電車じゃないと学校までこれないの」
それを聞いた宏樹は、翌日、麻美子のために、電車とバスの時刻表をつくり、麻美子に渡した。
「これで大変な通学も少し楽になるといいな、時刻表作ったから、よければ使って」
麻美子は翌日に、自分を気遣い、すぐ作ってきてくれた宏樹にときめいた。
季節はめぐり、学園祭の時期が来た。麻美子たちのクラスはチョコバナナを販売した。買い出しのとき宏樹と同じチームになり、二人きりになったときに宏樹が
「麻美子ちゃん、俺の彼女になってくれない?」と告白した。
麻美子は特に彼もいなかったし、やさしい宏樹と付き合うことにした。
それからデートは宏樹が計画し、遊園地に行ったり、ラーメン屋や喫茶店、プールやコンサートやイルミネーションとあらゆる場所へ出掛けた。
宏樹とのデートは自然体でいられ、麻美子にとって楽しく、高校3年まで続いた。
ところが、高校3年の夏休みに入る前に、麻美子は同じクラスの高部慎吾に告白された。「まみっち、よければ俺とデートしてくれない?ぶっちゃけ言うわ、俺、まみっちのことが好きなんだ。日曜の花火、一緒に見たいなぁ〜」といわれた。
慎吾は、明るく、ノリがよく、イケメンで勉強はもちろん、スポーツ万能、サッカー部のキャプテンでクラスの女子からの人気者だった。麻美子は、こんな人気者から声をかけられるとも思わなかった。カッコよく人気者だった慎吾に、ひそかに憧れていたので、心が揺れ動いた。しかし、宏樹がいる。
麻美子は、「…あたしも実は、慎吾くんのこと気になってて…一緒に花火大会にいきたいなぁって思う…けどね、今、付き合ってるひとがいて…」
慎吾は顔を曇らせるも明るい口調で
「じゃあさ、もしまみっちが嫌じゃなければ、俺は友達としてでもいいからさ、予定ないならいかない?」
麻美子は、友達としてならいいかな、ごめん、宏樹…と思い、慎吾と花火大会にいくことにした。
花火大会当日、慎吾は浴衣を着てきた。宏樹は一度も浴衣を着てきたことがない…麻美子はどんどん慎吾に惹き付けられていく。
慎吾は友達としてを守ってか、手も繋がなかった。
麻美子は、気持ちを押さえられず、人混みに紛れて、慎吾の浴衣の裾を掴んだ。
慎吾は無言で、麻美子の右手を握った。ずっと手を握ってほしかったけど、その瞬間だけだった。キスもしたかった、肩に頭ものせたかった。でもそれ以上は出来なかった。
握ってもらえた右手を大切そうに麻美子は見つめた。手も洗いたくないってこう言う気持ちは初めて…
宏樹のときでは味わえない今までで一番幸せなデートだった。
帰り際、慎吾は「まみっち、今日はありがとうな、幸せだった。でも困らせてごめんな。俺はもう、困らせないから、彼氏と幸せになれよ。」といった。麻美子は、宏樹と別れて慎吾の胸に飛び込む勇気がなかったことを後悔した。
「慎吾くん、今日は今までで一番幸せだった。本当は今の彼より慎吾くんが好き、それだけは忘れないで…。」麻美子は泣いていた。
「でも、その彼を振って俺のとこにこれなかったんだよな、俺も新しい恋をみつけるよ」とさわやかに言われた。
花火とともに、麻美子の最初で最後の幸せなデートは終わった。でも麻美子のなかで慎吾とのデートは特別なものとして、いつまでも色褪せず輝き続けている…。


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