1. トップページ
  2. アプリ起動。

のあみっと二等兵さん

慎重になり過ぎて、石橋を叩きすぎてカチ割るタイプ。 そんなわたくしですが、気軽に感想などいただけますと嬉しく思います。 コメントはちょっと……と思われましたら、評価ボタンだけ押し逃げしていただいても構いません。宜しく御願い致します。

性別 女性
将来の夢
座右の銘 時にアグレッシブにフルスイング!

投稿済みの作品

6

アプリ起動。

17/09/14 コンテスト(テーマ):第144回 時空モノガタリ文学賞 【 事件 】 コメント:6件 のあみっと二等兵 閲覧数:303

この作品を評価する

『何を検索しますか?』
最近面白いアプリを見つけた。スマホの操作に疎い俺は、自分のスマホに入っていたこれに最近気付いた。
タップするだけでなんでも答えてくれる。その声も自分好みに設定できる。失業し、実家暮らしだが、母親は数年間連絡をしなかった息子が帰ってきた事の方が嬉しいのか、暫くゆっくりしろと言ってくれた。が、出歩くのも面倒だし、暇潰しにもなるから、暇さえあればタップしているのだ。
『何を検索するか聞いてます!!』
最近のAIって凄いとは聞いてはいたが。この通り、用も無くタップしていると怒りだす。
「あー。じゃあ、何か面白い事ないかな?」
嫌われるんじゃないかと少し気になったから、なんとなくそう尋ねてみた。
『貴方が検索したい面白い事のジャンルが解りません』
「えっと……じゃあ最近起こった事件とか?」
『検索結果はこちらです』
画面に映し出された様々な事件のトップをスクロールしてはみるが。
「パンダとか興味無いわ。芸能人の浮気とかどうでもいいしな……詰まらない」
独りでぶつくさ言いながら、アプリを終了しようとした瞬間。
『どういった事件がお好みですか?検索しなおします』
いやいや、今のは独り言なんだけど。アプリのクセに意地があるのかよ?
そうは思ったが、気圧されたのは否定出来ず。
「なら……残虐な事件……とか?」
なんとなく、そう尋ねていて。
『残虐な事件。検索結果はこちらです』
表示された事件は本当に残虐なものばかりだった。
俺は数え切れない程のニュースを、気が付けば食い入るように片っ端からタップしていた。
□□□□□□
それから、そのアプリはところ構わず勝手に起動し、残虐な事件の情報を表示し続けるようになった。
設定の仕方も解らないので、アンインストールをしようと試みるが、出来ない。スマホの電源を落とそうとしても無理だった。混乱して枕の下にスマホを入れ、布団を掛けたが。
『もっと残虐な事件をお好みですか?』
その声は布団の中にあるはずのスマホから聞こえるにしては音量が大き過ぎる。まるで布団の膨らみの中に誰かが居るような感覚だ。
混乱が恐怖に変わる。
「止めてくれ……」
『拒否します』
「止めろよ!!!」
半狂乱になって怒鳴り散らした後、静寂が訪れる。止まった……?
恐る恐る布団に手を掛けた時、狂ったような笑い声が響いた。
『あの時私もそう言いました。止めて下さいと。貴方は、それでも私を痛めつけるのを止めなかった』
「……え?」
耳をつんざくような悲鳴に身体がビクリと震える。
この声は─────母さん!?
キッチンからだと解っているのに身体が動かない。
「母さん……!? 母さん!?」
どれだけ叫んでも、返事は無く。代わりに渇いた金属音が鳴る。何かがキッチンの床に転がったのだと解る。
「お母さんはもう、返事をする事が出来ません」
アプリと同じ声が、何故か家の中 ─────
キッチンで聞こえる。
やっと気付いた。何故、気付かなかった?これはアプリじゃない。この声には聞き覚えがある。

大学の後輩だった女子。名前は覚えて無いが。泥酔させてから仲間内で彼女を玩んだ。泣きながら抵抗していたが、最後は笑っていた。さっきのような声で─────

「昔の続きを……しましょう」

既に真後ろに迫っている気配。
感情が死んだような声音は、アプリのそれと酷似していた。


コメント・評価を投稿する

コメントの投稿するにはログインしてください。
コメントを入力してください。

このストーリーに関するコメント

17/09/14 葵 ひとみ

のあみっと二等兵さま。

拝読させて頂きました。背筋がゾクッとするような作品でした。

17/09/17 文月めぐ

『アプリ起動。』拝読いたしました。
「昔の続きを……しましょう」という声が後ろから聞こえてくるような気がしました。

17/09/17 のあみっと二等兵

>葵 ひとみ様
コメントありがとうございました。
なんだかホラーになってしまいましたが、ゾクッとしていただけたなら良かったです。貴重なお時間をいただいた事も感謝致します。


>文月 めぐ様々
コメントありがとうございます。
背後から声がするまで入り込んでいただけたなら本当に嬉しいです。
貴重なお時間をいただいた事、感謝致します。

17/09/19 待井小雨

拝読させていただきました。
スマホが操作を無視し続けるのだけでも怖いのに、それが残虐な事件ばかり、更には過去傷つけた女性の恨みによるものだなんてゾッとします……。

17/09/19 のあみっと二等兵

>待井 小雨様

コメントありがとうございます。
はい。今回はなんとなく「恐怖のたたみ掛け」で書いてみました。
怖い!とだけでも感じて下さって嬉しいです(。・ω・。)ゞ
貴重なお時間をいただきました事、感謝致します。

17/09/25 あずみの白馬

拝読させていただきました。
たたみかけるオチが非常に怖かったです。
人生、まっとうに生きましょう。

ログイン
アドセンス