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林一さん

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臭い対策

17/08/29 コンテスト(テーマ):第142回 時空モノガタリ文学賞 【 上司 】 コメント:1件 林一 閲覧数:97

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 うちの会社の部長は、本当に良い人だ。仕事はできるし、部下にも優しい。
 しかし、部長は臭かった。その臭いは、一般的な加齢臭のそれとは比較にならないほど強烈だった。
 けれども、会社でそれを指摘できる社員は誰もいなかった。みんな気を使って、部長を傷つけないようにしていたのだ。
 ある日、部長が突然、社員達を集めて話し始めた。
「実は昔から、自分は臭いのではないかと思って気にしていたんだ」
 部長の突然の告白に、社員達は動揺した様子だ。
「そこで先日、病院に行ってみたんだが、ワキガと診断された。それも、かなり重度のワキガらしい。手術をしても、臭いが残る可能性が高いみたいだ。だから、これからもみんなには迷惑をかけると思う」
「そんな迷惑だなんて」
「大丈夫ですよ」
 社員達のフォローの声が飛ぶ。
「いやいいんだ。みんな今まで気を使ってくれてありがとう。ただ、これ以上みんなにこの臭いを我慢させるのは申し訳ない。そこでなんだが、私なりに臭い対策を考えてみたんだ」
 そう言うと部長は、社員一人ひとりに洗濯バサミを配り始めた。


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このストーリーに関するコメント

17/09/05 トツナン

拝読しました。
実際のところ臭いの問題はとても難しいですね。清潔・不潔の問題ではないですし、本人にも如何ともしがたい場面が多々あることでしょう。それでもなお、どうにかしようとする部長の心痛は幾ばくか。台所のカレーとか給油中のガソリンとか図書館のホコリっぽさとか記憶の中の実家のコタツの温さとかの匂いみたいな、部長からなぜか毎週違う臭いがする、とかでしたらまだファンタジーを感じられるのですが。悲しいですね。

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