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霜月秋介さん

しもつきしゅうすけです。 日々の暮らしの中からモノガタリを見つけ出し、テーマに沿って書いていきます。

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黒板の哀しみ

17/08/28 コンテスト(テーマ):第141回 時空モノガタリ文学賞 【 黒板 】 コメント:0件 霜月秋介 閲覧数:154

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 こうして長年、教室の黒板って仕事をやっていると、いろんな先生がいるんだよなぁ。

 とにかく文字を美しく書くことにこだわり、書くのが異常に遅くて、授業の進行が異常に遅い奴。重要なのはそっちじゃねぇだろ。

 常に何かを溜め込んでて、授業のときにそれをぶつけるかのように、物凄い筆圧で俺に攻撃してくる奴。痛いっての!ガンガン突いてきやがって。

 と、今度は筆圧が弱い奴が来やがった。いまにも倒れそうな文字を書きやがって。休んだほうがいいんじゃないのか?

 思春期の生徒を興奮させるような言葉を次々と書き連ねる保健体育教師。でっかい文字で『欲求不満』とか書くなよ。俺が恥ずかしいわ。

 自信無さ気に、書く文字がやたらと小さい新人教師。これじゃあ後ろの席の奴が困るだろ。もっと大きい文字で書け。

 文字が小さいのは困るが、字が物凄く汚い先生ってのも困るわ。生徒の誰もが解読に困ってやがる。にもかかわらずスラスラとノートに書き写している窓際の生徒。何者だアイツは?休み時間、アイツの席に人だかりが出来るんだろうな。

 一番たちが悪いのは、『自習』って文字だけ書いて、そのあとまったく俺を使わない奴。面倒くさがり屋か?


 年々、教室の生徒数が減っていき、やがて気が付いたら、教室には誰も来なくなった。俺は、誰にも文字を書かれなくなった。俺はもう必要ないのか?書いてくれよ。誰か、俺に、個性あふれる文字を。なあ!


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