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月影輝さん

好きがこうじて、小説をのーんびり書いてます。宜しくお願いします。

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課長のダイエット

17/08/22 コンテスト(テーマ):第142回 時空モノガタリ文学賞 【 上司 】 コメント:0件 月影輝 閲覧数:157

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健康診断が終わって、数週間後のこと。
「はい、これ長谷川さん。こっちは、三壁さん」会社に届いた郵便物をそれぞれの机に配布する。
「課長さん。病院からですね。」そう聞いた瞬間、田中課長の動きが止まる。御歳三十八歳、横に伸びたお腹を揺らしながら、椅子に座り直す。
「小坂さん?」
「嫌ですよ。ちゃんと自分の目で確かめて下さいね!」笑って言う。
「でも、もし再検査だったら、僕」この課長、身体付きは巨漢なのだが、大の医者嫌いで、健康診断も私にせっつかれて、渋々行った位だ。(何故か、私が付き添う事に)
ジョキッ…
私に言ってもやってくれない、と諦めたのか渋々自分で開け始め…
「開けて?僕、怖くて」
『大の大人が、なにビクビクしてるんですかっ!』と声を荒げて言いたくなるのを抑え、不安そうに見上げる課長の顔が可愛いとも思った。
「あら…?」
「ど、どうだった?僕…再検査…?」検査の結果は、この巨漢なのに全てが『正常』だったが…
「要ダイエットですね。ほら」と医師からのコメント欄に、「結果は、正常ですが、このまま不摂生な生活をすると、完全に糖尿病になります。要ダイエット!」と次の再診受付の日まで、しっかりと赤いペンで書かれていた。
「えーっ、ダイエット?僕、やだ」
「…。」
どうして、この人はこんな喋り方をするのだろうか?仕事の時は、真面目に喋ってるのに…
「はぁっ!!」と溜め息が出る。
「小坂さん、怒った?ごめんね」溜め息を付いただけで、なぜこの人は、ビクビクするんだろう?
「手伝ってあげましょうか?」優しくニッコリ笑って言ったのに、余計ビクビクしたから絶対に断ると思ったのに、
「お願い出来る?」と言われ、かえってこっちが驚いた。
「だから、言わないで。僕が、病院嫌いな事も、運動が苦手なことも…」後半は、みな知ってるかと、言いたいのを堪え、早速今日から始める事に、強制的にした!
「でも、なにやるの?運動は、嫌だよ?」
私は、くるりと背を向けて…
「みんなー、今日のランチ課長さん奢ってくれるってー」と大きな声で叫んだ途端、女性社員から歓喜の声が上がり、課長の顔色は青くなる。
昼になり、課長は隠れて財布とにらめっこしてたが…行くお店は、私が考えて和食のバイキングが出来るお店に…
「あ、美味しい。野菜ってこんなに甘かったんだ」たまに課長に誘われて、ランチに行くと、野菜にたっぷりとマヨネーズをかけるはお肉大好きだわ…目の前で早々に食べ終わるし。
「いいですね。ゆっくり食べて下さいね。」
「うん」課長は、ある意味、女性社員に囲まれてるし、あの巨漢からして目立つのに、こと小さく感じた。
上司といるときまづいと思われがちだが、課長は何故か話しやすく男性社員にも女性社員にも受けがいい。
ランチを終えて、他の女性社員を先に帰らせ、私と課長は、エレベーターではなく階段で5階まで上がる。
「もうダメ。疲れたー」と5階に着くや否や座り込む。
「私も言った責任がありますから!」とあえて強く言い、翌日もそのまた翌日も続けた。朝は、少し早めに出社し、課長のダイエット弁当を作って食べさせ、昼はカロリー少な目の和食メインにし、夜は胃にあまり負担のこないメニューにした。
結果…
「あれ?前回の表示と…」体重が2週間で5kgも減り、医師を驚かせた。周りの女性社員も「知らない内に痩せたの!」とか嬉しい報告を耳にした。私も痩せたの!
1ヶ月、2ヶ月とダイエットは、続き…
「どう…かな?」
信太郎さんのお腹周りにメジャーを回す手も、スムーズに行くようになり、
「154cm!今月は、10cm減りましたね」そう言うと、子供のようなの喜ぶ信太郎さん。
「でも、反対に私が、太っちゃったんだけど?」少し頬を膨らまして言う。
「いんだよ。里江ちゃんは、太っても。」と少し膨らんだお腹を擦り、にこやかに笑う信太郎さん。そんな信太郎を見て、私も笑う。
何故こうなったのか、なんてわからない。最初は、課長のダイエットに付き合って、色々と出歩いたりしてて、いつの間にか距離が近付いて…男女の関係になった。信太郎さん、独身でした。
「でも、みんな驚くよね。里江ちゃんと結婚するのが、僕だって知ったら」
「…。」
『みんな、知ってるんだけど。名前で呼んでるし。言うに言えなくなっちゃったな』
信太郎さん、嘘が下手なのか、本人は隠してるつもりでも、言葉使いとか態度で…バレまくってます。
「しーんちゃん!」
「は、はい」何故か、正座する。
(なんとなく、嫌ーな予感がする。ダイエット頑張ってるのに)
「いいこと教えてあげる」
「えっ?なーに?」
「ふたり、なんだ。赤ちゃん…」
「ふたり?!」
「だからね。」
「うん」
「ダイエット、続くからね!」そう言って僕の大好きな妻が笑った…

(怖い…)


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