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セレビシエさん

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意思と奴隷

17/08/21 コンテスト(テーマ):第141回 時空モノガタリ文学賞 【 黒板 】 コメント:0件 セレビシエ 閲覧数:209

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黒板は先生の奴隷です。
生徒も先生の奴隷です。
教室の中では先生が王さまです。
でも放課後、人がいなくなった教室での王さまは誰でしょう?
お分かりですよね、黒板です。
いつも先生たまに生徒にまでチョークをガツガツ押し当てられたり、生徒には下手くそな落書きをされたり黒板はいつも苛々としていました。
先生が授業をしているときには黒板は体を真っ直ぐにして字を書きやすくもしてあげるのですが、黒板はチョークのことが大嫌いでしたのでたまにえいとやってチョークがパキっと折れるのでした。
そんな感じでチョークと黒板は常に仲が悪かったのです。けれど知っての通り、チョークはすぐに死んでしまいますが、黒板は大変長生きでしたのでいつも腹の内は沸騰させながら、表面上は懸命にリップサービスに努めていたのです。黒板は教室で一番大きく、一番長生きなので、毎日大きな声で威張っていました。
ところがなんと一月後には黒板が使われなくなり「ほわいとぼうど」とかいう輩が来ると知り、今まで王さま気分で威張っていたのもすっかり威勢が悪くなり、毎日めそめそしていたのです。

ここまで書いて僕は思います。
黒板と人間に大した差はないのです。

さて、イスだとか机だとかは流石にあんまり黒板がめそめそするので段々と可哀相になってきて黒板に優しくするようになりました。
けれどもチョークはやっぱり黒板が許せませんでした。
しかしお気づきでしょう皆さん。黒板が使われなくなるということはチョークも使われなくなるのです。
それをチョークの皆ちゃんとわかっていました。

そんな風に一月はすぐに過ぎました。
はじめ棄てられたのはチョークでした。
先生になんの労いもなくゴミ箱に棄てられました。
次に、だいぶあとになりましたが黒板が棄てられました。これはだいぶ棄てるのが大変でしたので先生や業者の人間は舌打ちをしました。

最後に僕の思ったことを書きましょう。
今までの話は全てが僕のつくり話で黒板やチョークに意思があるとは到底思えません。
けれど、そう思うのはやはり人間の傲慢です。
そうやって傲慢に、全てを奴隷のようにして、私たちは生きているのです。
しかしきっと、ほとんどの人はそんな自覚はないのでしょう。


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