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セレビシエさん

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「偉い」

17/08/15 コンテスト(テーマ):第142回 時空モノガタリ文学賞 【 上司 】 コメント:0件 セレビシエ 閲覧数:215

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あるハチがとびきりいいエサ場を見つけたので蜂の巣へ戻ってきて、一生懸命にぐるぐると八の字のダンスを踊っていると、それを見た偉いハチがいきなりダンスを中断させて言いました。
「やい、おまえのダンスはどうにも下手くそすぎる、これじゃエサ場の場所もわからないよ」
エサ場を見つけたハチは
「ちゃあんとよく見てください、しっかり場所を伝えていますから」
と、言いました。
「ふん、もう少しだけ見ていてやるよ」
と、偉いハチは言いました。
それから偉くない方のハチは綺麗な綺麗な八の字を描いてダンスを踊りました。
偉いハチは、そのダンスがあんまり綺麗なので感動してしまいましたが、同時にそれが気に食わなくて仕方がなくなったので、こう言いました。
「ふん、やっぱりダメだ。まるでダメ。全然だよ」
ダンスを踊っていたハチはむしゃくしゃしましたが、偉いハチに逆らう訳にもいかずに黙りこんでしまいました。
そこで偉いハチはいい気になりました。
「なんなら俺がお手本を見せてやるよ、どれじゃあここから南に200mのところにエサ場があるとするとだな……」
そう言って。くるくるダンスを踊りました。
「どうだ、これがダンスと言うものだぞ、おまえ、わかったか」
「どうにもわかりません。僕には貴方のそれはとても八の字には見えないのです」
「何をう、なまいきな、おまえ!」
「すみません、悪気は無いのです。しかしやはり貴方のそれは、すこしカクカクとし過ぎなのです」
偉いハチはカチンときましたが、やはり実際自分のダンスはカクカクし過ぎな気がしました。そう思うと何だか嫌な汗がダラダラと出てくるので無理に強がって
「生意気な、おまえのへなちょこなダンスよりはマシだ」
と、言いました。
しかし、あんまり大声でさっきから話をしていたので回りのハチ達が皆、こっちを見ていたのです。
それで、偉いハチは散々言われて、いよいよ立場はなくなりました。


これで、最初エサ場を見つけたハチは「偉い」ハチになりました。


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