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Yuzさん

Yuzゆずです。イラスト描いたり短編書いてます。

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愛の形

12/11/26 コンテスト(テーマ):【 箸 】 コメント:0件 Yuz 閲覧数:1335

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大切に使うんだよ。

私がお嫁に行くとき、
母から渡されたのは一対のお箸でした。


「きれーなお箸ー!」
幼い頃の私は母の使っているお箸が羨ましくて仕方がありませんでした。
そのお箸はなんでも、私の曽祖母から伝わっているものだそうで
このお箸が使われるのも
一年のうち、お正月の一度切りでした。
「あたしもつかうー。」
どんなに駄々をこねても、このわがままだけは一度も聞いてもらえませんでした。
母はこういう時、決まって
「これは神様のお箸なの。唯ちゃんが大人になったら使わせてあげますからね。」
と、言うのであった。

そして使い終わると、富士山の麓まで行き毎年湧き水でそのお箸を洗っているのでした。
母はお正月に一度、39度の高熱にうなされたことがありました。
それでも、
私が途切れさせるわけにはいかないと富士山に向かうと聞かなかったそうなのです。

私が高校生になった頃、聞いたことがあります。
「そのお箸、なんでそんなに大事にするの?」
母は
「これはね、神様のお箸なの。」

我が家には昔「御神木」と呼ばれていた大きな大きな木があったそうなのです。
しかし寿命が近付き、切り倒さなければならなくなってしまったそうなのです。
我が家では、御神木が吸った栄養を神様に届けている。と、信じられていました。

切り倒す際、これからの子孫も神様に守っていただけるようにとの願いを込めてお箸にしてもらったそうなのです。
栄養を届ける役目として。

どこまでが本当なのか。それはわかりません。

しかしこのお箸が私まで受け継がれたのは、
自分の子孫を守りたいというご先祖様の思いと、私の為に守り抜いてくれた母の愛の証なのです。

私は神様を信じていません。
しかし、ご先祖様たちの思いはきっちりと受け継いでいこうと思います。




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