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海の女神に魅せられて

17/06/08 コンテスト(テーマ):第137回 時空モノガタリ文学賞 【 海 】 コメント:0件 撫子 閲覧数:154

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海のない県の田舎生まれの田舎育ち。。
そんな私が初めて海を見たのは横浜の山下公園からだった。
中華料理屋の一人娘の私は、電車を数時間乗り継ぎ、ずっとネットなどの情報で行きたいと思っていた中華街のとある店で食事を楽しみ、道中半ば押し売りのような形で買った甘栗を片手に公園から海を見ていた。
近くには大きな船のようなものが止まっている。どうやら中を見学できるようだが、あいにく気が向くことはなかった。
まだ2時ごろ、太陽の光が反射してキラキラしている波を物珍しく眺めながら大きな観覧車のある遊園地を目指すため公園を歩く。平日の昼間のため人は少ない。海を見ながら気兼ねなくゆっくり歩くことができた。
そこで記念に海の写真を撮ろうと思った。私はこの日のために買った自撮り棒にスマホを取り付け、写真を撮る。
取れた写真を見た。満足な出来だった。海は写真の中でも綺麗だった。
ここまでは昼間の話。そのあと遊園地を楽しみ、ホテルにチェックインした。しかしどうしても海のことが気になり、夜の海を見にまた戻ってきたのだ。
海を見つめているとふと唐突にこの中に入りたいと思った。しかし中に入って溺れれば死んでしまうことを知っていた。
そんなことは当然のことのはずなのに実感が湧かなかった。むしろあまりのきれいさに異世界の入り口と錯覚するほどだった。
「おいで」海を見つめていた私は海からそんな言葉が聞こえた気がした。もちろん海には誰もいない。幻聴だろうか。
もしかしたら、疲れが出てきたのかもしれない。早めにホテルに戻ろう。そう思い海に背を向けた時だった。
「逃がさない」そんな声と共に強い力に引っ張られ海へと落ちた。
「もう二度と離さないよ○○・・・・」
意識を手放しかけた頭でそういえば○○ってお母さんの名前だなとか、お母さんは昔ここらへんで住んでたなとか、お母さんに「山下公園だけは行かないで」とまじめな顔で言われていたなとかいろいろ考えていた。


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