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空 佳吹さん

そら かぶき…です。 ちょっと奇妙な小説を書きます。どうぞ宜しく!

性別 男性
将来の夢 作家
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遥かな世界からの石板

17/05/25 コンテスト(テーマ):第136回 時空モノガタリ文学賞 【 音楽 】 コメント:1件 空 佳吹 閲覧数:220

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 夏のある夜……
 国立公共施設内の一階にあるの特別会議室では、四人の男が、椅子から立ったり座ったり……。
 コーヒーを飲みながら……タバコを吸いながら……
 その部屋の中央に置かれた大きな石板を前にして、思案を重ねていた。

 その石板とは……
 昨夜、某機関から運び込まれた物で、ある国の山奥で見付かった――としか分からなかった。

 その石板を見詰めている四人は――考古学者だった。
(いったい何と書いてあるんだろう……?)
 それが四人の共通した心境だった。
 その石板は、畳1帖ほどの大きさで、厚さは30センチ程度の物だった。
 その表面に、文字とも記号とも思える十数個の配列が四行、並んでいるのだ。
 それぞれの列は、どれも同じ物はないので、違う意味の事が記されていると思われた。
 彼等の各デスクの上には、それぞれネット使用中のノートパソコンと、参考資料の山があった。

 中川は、コーヒーを一口飲むと、
「この石板て……まったく……何なんだ……」
 山野は次のタバコに火をつけ、更に参考資料をめくりながら、
「とにかく、そうとう前の物であることは、確かだよな……」
 坂本も、コーヒーを一口飲むと溜め息をついた。
「恐らく……数万年前の遺物だろうな……。しかし、色々な資料やデータを使っても、まるでお手上げ状態だよ……」
 立花も、次のタバコに火をつけてから、
「今回ほど、この石板に口があれば……と、思ったケースはないな……」
 中川は、コーヒーを飲み干すと石板に近付き、見詰めた。
 すると山野が、
「おい、触るなよ」
「分かってるよ。素人じゃないんだから……」
 体を起こしかけてバランスを崩し、石版の表面のある文字列に触ってしまった。
 すると、石版がピカッと光って震えだし、後ろから音楽が流れだしたのだ。
「おー……」
「なんと……」
「これは……」
「すごい……」
 その音楽は実に心地良く、四人はその場で踊りだした。
「これは、タンゴかな……」
 踊りながら、山野が言った。
 やがて音楽が終わると、中川は次の文字列を触った。
 すると、また違う音楽が流れだした。
 四人は、また踊りだした。
「今度は、ロックのようだな……」
 坂本が言った。
 やがて音楽が止まると、中川が、
「おい見ろ、文字列が消えてるぞ」
 演奏が終わった文字列が、何故か消えていたのだ。
「いいじゃないか。とりあえず、何か分かったんだから……」
「それもそうだな。じゃ、三曲目を聴こう」
 三行目の文字列を触ると、やはり音楽が流れだし、四人は踊った。
「これはポップのようだな……」
 笑いながら、立花が言った。中川も笑顔で、
「実に愉快だ。しかし、この四行目の、妙なヤツはどんな曲かな……?」
 それは――I\UY――という表記だった。
 ふと思い出したように坂本が、
「その表記、さっきから変ってるかも……」
 中川は、その言葉を無視して触った。
 やはり石板が光り音楽が流れだした――が、揺れが止まらず、部屋全体も揺れだした。
「うわー、地震だー!」
「いや、ちょっと違うぞ……」
「じゃ、何なんだー?」
「うわー! もー、だめだー!」
 さらに揺れが激しくなり、四人は倒れて気絶してしまった。

 ふと、四人は起き上がった。
 何故か、部屋の様子が違っていた。
 下がっているカレンダーを見ると……
 ――1926年――
「これって、昭和元年のことだろう……?」
 中川が、皆の顔を見ながら言った。
「ということは……ここは……?」
 部屋を見回しながら立花が言った。
 見ると、石板もデスクもパソコンも無かった。
「あの石板は……タイムマシン……?」
 山野は天井を見上げながら倒れた。
 さらに三人も倒れながら……
「しまったー!」


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このストーリーに関するコメント

17/05/25 空 佳吹

本文、二行目の「特別会議室」の前の「の」は無視してください……陳謝。。。m(作者)m

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