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藤原光さん

藤原光 ふじわらひかる。ブログ「ひかるのこころhikaru99.com」を運営。 掌編小説や、ショートショートと呼ばれる、短めの小説を書いています。人間観察や、風刺的なものが主です。 Twitter @fhikaru99

性別 男性
将来の夢 心理学者・カウンセラー
座右の銘 人間万事塞翁が馬

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とある出木杉くんの苦悩と彼のアメリカでの出来事

17/05/19 コンテスト(テーマ):第134回 時空モノガタリ文学賞 【 正義 】 コメント:0件 藤原光 閲覧数:354

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私は普通の人間である。ただ、あだ名が出木杉君。青いネコ型・狸型ロボットのアニメのわき役に出てきた系統の人、と言って差し支えはない。

物心がついてから、何事にも気になると一生懸命やってしまう性格で面白がってやっていたら、何事にも気付いたらよく出来るようになっていたりすることが多々ある。

それでも小学校の時も中学校の時も、さらに今でも、周りには陰口を言ってくる人はざらだし、直接的に攻撃してくる人も後を絶たなかった。

「なんで、そんなに文句ばっかり言っているんだろう?、どうしてなんだ?みんなもただちょっとやればいいだけじゃないか!」

何かいやがらせを受けるたびにこういいたくなってしまうのである。

「ただ夢中になってやっていたら、トップになっていただけだよ!?

中学校の時も、こんなことがあったな・・・。

先生「出木杉君は運動会ではリレーの選手だったし、テストも一番。文化祭も劇の主役だったから、今度の音楽祭のピアノの伴奏は遠慮してもらえないかな?確かに君が音楽の才能もあって、ピアノもうまいし指揮も抜群なのは他の先生もみんな知っているけど、ほかの生徒にも平等にね。」

出木杉「え、でも僕がピアノ弾けるんだし、指揮もできるんだからそれでいいじゃん!スポーツと勉強とはまた別だよ!」

先生「でも、いろんな生徒に機会を与えて、平等にしないとね。他の子の親からも苦情が来るし、出木杉君のお母さんもPTAで嫌がらせられちゃうよ。」

出木杉「え、そんな・・・。このために課題曲も練習してきてたのに。」

先生「それが平等だからね。そんなに何でも出来ちゃうと、煙たがられて悪者になっちゃうよ。」



出木杉は度々いやがらせを受けるために、このことを思い出し、たまにこのような気持ちになる。

何が平等だ!全然平等じゃないじゃないか。平等って言いながら、僕の機会は奪われるばかりじゃないか!平等、平等って言いながら、機会を平等にしようとするんじゃなくて、結果を平等に分けようとしている。それって平等じゃないよな。頑張ったら頑張っただけ損するじゃないか。

1人1つだなんて誰が決めたんだろう。歴史的に見ればいろいろいるじゃないか。レオナルド・ダ・ヴィンチなんていろんな分野で知られているし。ゲーテとかもすごいじゃないか。日本人でも結構いっぱいいないかな?

生徒A「はい、できすぎできすぎ。またできすぎ。はいはいすごいすごい。」と言いつつため息とにらみ、舌打ちをしてくる。

なんでひねくれたことばかり言うんだよ!自分も頑張ればいいじゃないか!なんで世界ってこうなのかな。頑張れば頑張るだけむなしさが募るのかな。



大学生の出木杉は、アメリカに行く用事ができた。学校の交換留学だった。担当のケイト先生は特に僕に優しい。

ケイト先生「出木杉君は、なんでもすごいのね。今度コンサートがあるから出てみない?スポーツも得意なら大学のチームに入ってみるといいよ!そうすれば英語も上達するんじゃないかな。」

出木杉「え?僕がいろいろやってもいいの?」

ケイト先生「勿論。いろいろできる人はいろいろやって才能を開花させないと。参加機会はみんなにフェア平等にあるからそれぞれ応募してみてね。いろいろできると出木杉君は正義のヒーローになれるよ!」

出木杉「え、頑張る!嬉しい!」

なんだかこっちの「フェア平等」っていうのは、機会を平等にして、結果は実力主義なんだね。日本の時とはなんだか違う気がする。でもフェアの日本語訳って平等だよね。意味が違うのかな?確かに、こっちでは人種や性別でも割合が合うように調整したりしているみたい。なんだかフェアの意味がだいぶ違うみたいだなぁ。日本で女の子が少ないからって優先したら大問題になっちゃうよ。

正義の意味もだいぶ違うみたい。日本は能力がとか倫理が、ではなくて、多数派が正義なのかな。



それからというもの、出木杉は、大学のスポーツチームに所属しレギュラー、音楽でコンサートに参加。勉強ももちろん頑張って、いろいろな方面で活躍し各方面で表彰されている。

彼自身が忙しいから外すことはあっても先生が「お前は遠慮しろ」って言ってきたりはしない。出木杉が自ら日本に帰ることは、よほど特別なことがない限り、限りなく低いことは容易に想像ができる。

日本はどこへ行ってしまうのだろう。


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