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笹岡 拓也さん

文章で笹岡 拓也の世界を伝えられたらいいなと考えてます。 キャラクターたちがイキイキとした物語を書いて、読んだあと何か残れるような作品にしていきます。

性別 男性
将来の夢 自分の作品を多くの人に読んでもらうこと
座右の銘 生きているだけで幸せ

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正義のヒーロー

17/05/11 コンテスト(テーマ):第134回 時空モノガタリ文学賞 【 正義 】 コメント:4件 笹岡 拓也 閲覧数:720

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世界にはあらゆる敵が存在する。その敵のほとんどが私たちが住んでいる地球とは別の星の住人。そしてとても大きいのが特徴だ。
そんな敵から守るために作られたプロジェクトに私は参加している。世界各国が協力して作り上げたロボットに私はパイロットとして乗り、その敵と戦う。敵は相当強く毎度苦戦しながらも何とかこの世界を守ることができている。
「今日もお疲れ様でした」
敵を倒すのが私の仕事であり、敵を倒したら基本的にフリーの時間となる。最近はロボットだけでなく私たちパイロットもメディアに露出しているからか街で声を掛けられることがある。
「あの!サインして貰ってもいいですか?ファンなんです!」
私の仕事はアイドルや歌手など顔を売る仕事ではないから、サインなどしなくてもいい。しかし一時期、ちやほやされることが嬉しく自分のサインまで作ってしまった。
「ありがとうございます!次の敵も頑張ってください!」
ファンから応援の言葉を貰うと気分が上がる。実際に世界を守ることができてるんだな!私は正義のヒーローだ!と思えることがモチベーションを高めるエネルギーになっていた。
しかしここ最近私たちのことを批判する団体も現れてきた。その内容は正義のヒーローと言っておきながら、街中を壊滅させている。もっと良い方法があるのでは?というのが批判の内容だった。
この批判を今までされたことがなかった私たちは酷く落ち込んだ。私たちの仕事はこれで良いのだろうか?そんな私たちに幹部のトップが話しかける。
「私たちのしていることは正義だ。しかし敵を倒すことは犠牲を出してしまうこともある。正義という言葉を組み替えれば犠牲という言葉も隠されている。つまり止む終えないということだ。私たちがいなかったら、とっくにこの世界は敵に滅ぼされている。だから胸を張って闘ってこい」
私はこの言葉が胸に刺さった。正義を貫くには犠牲があると考えたことがなかった。しかしこの犠牲を超える成果があると考えなければいけないと気付かされたのだ。
そんなことを思い知らされた時、敵が襲来したことを知らせる警報が鳴り響く。この警報は仕事場だけでなく街中で知らされるため、市民は地下に設けられた防空壕に逃げていく。
「出動!」
幹部のトップの一声で私はロボットに乗り込む。私は毎回乗り込む時、胸に手を当てて深呼吸をし、操縦機を握る。これをすることで私は正義のヒーローに成り切ることができるのだ。
「今回の敵は足を狙え!足を狙えばバランスを崩し倒れるはずだ!」
私には随時司令室から敵の弱点や特徴の情報が入る。その情報を頼りに私は敵に攻撃を与える。
「よくやった!敵はもう攻撃ができないほど弱ってる!トドメを刺してくれ!」
私の攻撃は見事足に命中し、バランスを崩した敵は倒れ身動きが取れない状態になった。思っていたより敵は攻撃もしてこなかった。とても弱い敵だったんだな。私はそんなことを考えながら敵にトドメを刺そうとした。その時である。
「お前らは最低で残酷な奴らだ!お前らが俺らの星に攻撃してきた所為で取り返しのつかないことになったんだ。でも理由を聞きにこの地球にやってきたのに...何も聞く耳も持たずに攻撃してきて」
敵は私が操縦するロボットを見て話しかけてくる。そしてこの言葉を聞いた時、私はこの敵にトドメを刺すことができなくなった。
「何をしてるんだ!早くトドメを!」
幹部のトップは怒り狂うように私に指令を出す。しかし私は気づいてしまった。私たちは敵が来たからとすぐに攻撃して倒していたが、何故敵は私たちの地球に来たのか知らなかったことを。そして私たちが知らないところで敵の星に攻撃していたことを。
もしかして私たちはこの地球にとっては正義のヒーローだったかもしれないが、敵にとっては私たちの方が敵だったのでは?さらには敵だと思っていたが、そちらの星では正義のヒーローだったのでは?
このことに気づいてしまった私は敵にトドメを刺すことはできなかった。
しかし私以外のパイロットがすぐ出動し、敵はトドメを刺されてしまった。


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このストーリーに関するコメント

17/05/11 まー

王道すぎるタイトルにホイホイされましたが、やっぱり正義のヒーローが抱えるこうした矛盾点は何度でも突っついたほうがいいですね。とはいえ矛盾を暴いてやろうといった嫌味さが一ミリもないし、この内容ならあえて戦隊ものが好きな小さい子に読み聞かせしてもいいんじゃないかとふと思いました。(駄目ですか? 笑)
46島太郎を読んで爆笑したときにも感じたことですが、笹岡拓也さんの作品は老若男女が安心して読める不思議な空気感があります。

17/05/11 笹岡 拓也

まー 様

コメントありがとうございます!
小さい子にも読み聞かせできる内容と言われて
とても嬉しく感じております!
また老若男女が安心できるという感想はとても
これから執筆していく中で励みになる言葉です。
ありがとうございます!
また是非次回作も読んでいただけたら幸いです!

17/05/19 のりのりこ

考えさせられた。どの作品もラストが独特で面白い。

17/06/14 光石七

拝読しました。
正義というのは絶対的なようでいて、立ち位置によって変わってしまうものでもありますね。
正義のヒーローが抱える矛盾・葛藤が嫌味なく描かれており、考えさせられるけどするりと読めてしまう、この独特な空気感が魅力的だと思いました。
面白かったです!

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