1. トップページ
  2. 頭がプリンになっちゃったから、病院いってくる

霜月秋介さん

しもつきしゅうすけです。 日々の暮らしの中からモノガタリを見つけ出し、テーマに沿って書いていきます。

性別 男性
将来の夢
座右の銘 不言実行

投稿済みの作品

3

頭がプリンになっちゃったから、病院いってくる

17/05/06 コンテスト(テーマ):第133回 時空モノガタリ文学賞 【 スイーツ 】 コメント:4件 霜月秋介 閲覧数:450

この作品を評価する

 ある日の休日の朝。布団で気持ちよく寝ていると、彼女から一本の電話があった。

『わたし、頭がプリンになっちゃったから、びょういん行ってくるね』

「………なんだと?」

 私は耳を疑った。いま、彼女はなんと言った?私の聞き間違いだろうか?頭が…なんだって?頭がプリン?びょういん行く?病院!?

「もしもし?もしもし!?」

 電話は既に切れていた。


 私はすぐ着替えて、家を飛び出した。しかし、どこの病院なのかを尋ねる前に電話を切られてしまった。たしかに彼女はプリンが大好きで、一緒に喫茶店に行ったときは、必ずと言っていいほどプリンを注文していた。しかしまさか!プリンを頻繁に食べたからと言って、そう簡単に頭がプリンになってしまうものなのか!?現代の医学は進歩には目を見張るものがあるが、どうやら病の方も著しく進歩している。頭がプリンになる病。『プリン病』と名付けよう。『りんご病』という病もあるくらいだから、『プリン病』もあってもおかしくはない!しかし頭がプリンになるとはどういうことだ?プリンのことしか考えられなくなる、精神的な病なのか?それとも、頭の形そのものがプリンの形になってしまう病なのか?お、恐ろしい。プリンの被り物でもしているような人間がこの先の未来、どんどん増えていくというのか?本物のプリンと勘違いされて誰かに食べられたらどうするんだ?一刻も早く彼女を見つけ出さないと、誰かに本物のプリンと勘違いされて食べられてしまう!



 最寄の病院へと駆けつけたが、病院内を探しても彼女の姿は無かった。頭がプリンになってしまう病気など専門外だと言われて追い出されたのかもしれない。いや、今までにない症状だから、どこかの研究室に連行されてしまったのかもしれない。
 彼女に電話をかけてみたが、電話には出ない。彼女は今、どこにいるのだ!?



 二時間くらい、病院という病院を探し回った後、彼女の方から『いま終わったよぉ!』と電話がきた。

「お、お前、いま何処にいるんだ…?大丈夫なのか?」

『びょういんの前だよ。大丈夫って、なにが?どうしたの?』

 電話の向こうの彼女の声は、こちらの心配など関係なしに、生き生きとしていた。


 その後彼女と合流して、喫茶店でプリンを食べた。美味しそうにプリンを頬張る彼女の頭は、キャラメルのついていないプリンのような色をしていた。

 彼女が行ったのは『病院』ではなく、『美容院』だったことを後になって知った。


コメント・評価を投稿する

コメントの投稿するにはログインしてください。
コメントを入力してください。

このストーリーに関するコメント

17/05/06 まー

たぶん滑舌がちょっぴり悪い彼女さんなのでしょう(笑)。
電話の後の主人公の思考の暴走に爆笑しました。

17/05/06 霜月秋介

まー様、コメント有難うございます。

病院と美容院、聞き間違えやすいですよね。
ある人が「髪の毛がプリンだから美容院行きたい」と言っていたのを思いだし、この話を思い付きました。

17/05/13 むねすけ

読ませていただきました
ショートショートの持つ軽妙さ、切れ味と読後感の気持ちよさ、アイデアの弾けが
凝縮された作品だと感じました
面白かったです

17/05/21 霜月秋介

ねむすけ様、コメント有難うございます。

お褒めの言葉に感激のあまり、頭がプリンになりそうです(笑)
これからもよりよい作品を産み出せるよう精進いたしますわ、

ログイン
アドセンス