PURINさん

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tattoo

17/04/02 コンテスト(テーマ):第131回 時空モノガタリ文学賞 【 電車 】 コメント:0件 PURIN 閲覧数:267

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今日、電車で腕にタトゥーを入れている人を見た。

僕が乗った車両の座席はどこも空いていなかったので、立ったままつり革に掴まってしばらく窓の外を流れる景色を見ていた。

(暇だなあ…スマホも電池もうほぼないから使いたくないしなあ…)

などと思いながらふと横に立っているタンクトップの男の人を見ると、僕の目線より少し高い位置にある上腕に、黒いインクで大きく翼を広げた鳥の絵が描かれていた。僕は鳥に詳しくないから、何という種類の鳥かは分からなかったけど、ワシ?タカ?みたいで、とにかくかっこよかった。

タトゥーに憧れがある僕は(うわ…いいなあ。きれい)と思わず見とれていた。

と、一瞬絵が変わったような気がした。(?僕が瞬きしたからかな?)もう一度じっくり見てみる。動いてる。鳥が立派な翼をゆっくり羽ばたかせてる。(???何これ???新種のタトゥー?)鳥は翼だけでなく、脚を違う方向に向けたり、嘴を開け閉めしたりし始めている。怖いとか気持ち悪いとか思ったわけではなく、ただただ興味深くて目が離せなかった。

そのうちに、鳥と目が合った。鳥はぴたりと動くのをやめ、数秒間僕と見つめ合った後、タトゥーの主を見上げるように頭を上げた。頭上に視線を感じ、慌てて顔を上げると、男の人が少し驚いたような顔で僕を見ていた。歳は20代後半くらいだろうか。鮮やかな茶色い短髪と細い緑色の目が印象的だった。彼はやがて微笑み、唇に人差し指をあてた。そして僕の耳元に顔を近づけ、小声で「誰にも言うなよ、お嬢ちゃん」と言った。脅している感じの言い方ではなく、割と軽い、友達にちょっとしたことを頼む時のような言い方だったが、なぜか確かに誰にも言ってはいけないことのような気がしてきて、頷かざるをえなかった。

男の人はそんな僕を見てほっとした顔をして、次の駅で降りていった。


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