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クナリさん

小説が出版されることになりました。 『黒手毬珈琲館に灯はともる 〜優しい雨と、オレンジ・カプチーノ〜』 マイナビ出版ファン文庫より、平成28年5月20日発売です(表紙:六七質 様)。 http://www.amazon.co.jp/dp/4839958211

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将来の夢 絵本作家
座右の銘 明日の自分がきっとがんばる。

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うらしま物語

17/03/31 コンテスト(テーマ):第132回 時空モノガタリ文学賞 【 浦島太郎 】 コメント:2件 クナリ 閲覧数:342

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「マリ、二十歳の誕生日おめでとう」
「ありがとう。ツヨシも昨日二十歳になったわね」
「そして結婚半年おめでとう俺たち」
「なんか中途半端だけど」
「実は俺、昨日の誕生日に神からプレゼントとして選択肢を与えられたんだ。昔話の主人公、誰でも好きな奴一名の能力を得ることができるって」
「……へえ」
「桃太郎なら絶対服従するお伴。金太郎なら無双の怪力。一寸法師なら身長の操作」
「どれもすごいわねえ。で、なんであんた釣り竿持ってるの?」
「浦島太郎にしたから」
「だと思った。見て分かってた。ばかじゃないの!? 浦島太郎なんて、ただの漁師じゃない。もっと他にあったでしょう!」
「いや、これしかなかったね。ほら玉手箱」
「ちょっと待ってなに開けようとしてるのよ待ちなさいツヨシやめ」
 ぼわわわわわん。
「わー! 私おばあちゃんになってる! ツヨシいいいい!」
 病室の煙が薄れていく中、マリは医者から余生三ヶ月と言われた己の末期ガンが活力を失い、無害化するのを体の中で感じていた。
「ツヨシのばか……!」
「ふおっふお。ちなみにわしもおじいさんになっとるぞ!」
「うわあああ本当にばか! あんたも年取ってどうするのよ!」
「どうって、シニア枠で働いて、貯金と合わせてお前と静かに暮らすわい」
「もう、そんなよぼよぼでろくな仕事ないわよー!」
「それでも意気は軒昂じゃよ。君がいれば」


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このストーリーに関するコメント

17/05/02 むねすけ

読ませていただきました
ほぼ会話だけの短い作品に
やさしさと強さと物悲しさと愛と
色んな感情が詰まっていて、読後感も爽やかで
素敵な作品だと思いました

17/05/08 クナリ

むねすけさん>
こんなに短くまとめるのは自分としては珍しいんですが、今回のテーマに対してはこれ以外のことが浮かびませんでした(^^;)。
うまく伝わったようで、たまにはこれくらいのボリュームもいいかな〜と思いましたッ。

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