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泡沫恋歌さん

泡沫恋歌(うたかた れんか)と申します。

性別 女性
将来の夢 いろいろ有りますが、声優ソムリエになりたいかも。
座右の銘 楽しんで創作をすること。

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5

「美人になる」≠「愛される」

17/03/27 コンテスト(テーマ):第130回 時空モノガタリ文学賞 【 失敗 】 コメント:7件 泡沫恋歌 閲覧数:232

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 自分の顔が大嫌いだった!
 腫れぼったい一重まぶた、あぐらをかいた鼻、エラが張った輪郭……どんな欲目に見ても、私の顔は十人並以下だろう。
 当然、男にモテたことはない。小学校からずっと容姿のことで男子にからかわれてきた。高校は女子高だったので気にしないで自由にやってこれたが、大学は共学なのでブスの私は出来るだけ目立たないようにしていた。
 ある日、大学で男性から声をかけられた。ゼミを休んだのでノートを見せて貰えないだろうかと頼まれた。真面目な私はいつも一番前の席でノートに取っている。ブスが社会で認められるには勉強を頑張って、スキルを上げ専門職で身を立てるしかないのだ。

 男性から話しかけられたことなかったので、少し戸惑ったけれど、私の取り柄は勉強だけなので快くノートを貸してあげた。その後、ノートのお礼にとその男性から映画と食事に誘われた。
 まさかブスの私にお礼を返してくれるなんて思ってもみなかった、最初はからかってるんだと思っていたら、彼の方から交際を申し込まれた。

 彼の名前は神谷龍一、さわやか草食系イケメンなので大学の女子たちにも人気があった。
 彼と一緒に歩いていると「王子様とブス」という陰口が聴こえてくる。龍一に私は不釣合いだと周りは思っているのだろう。美男美女のカップルなら理想的? こんな私と歩いて恥かしくないかしら? 
 だけど龍一は、私のことを「可愛い」っていってくれる。色が白いと褒めてくれる。歯並びがいいから「美奈子の笑顔は素敵だよ」と褒めちぎってくれる。そんなはずないのに……その言葉を信じてもいいの? 私は龍一が好きになればなるほど、自分の容姿が気になりだした。

 ある日、カラオケでデュエットしたりして盛り上がった。私にとって、これが初めての恋、龍一とは永遠に離れたくないと思っていた。
 ドリンクバーで飲み物を作ってるとき、女店員が二人お喋りしながら歩いてくる。
「さっき、入店したカップルさ、彼氏の方はイケメンよねぇ〜」
「それに比べて、連れてるのアレが彼女? スゲーブスじゃん」
「ホント、よくあんなブスと付き合ってるわ」
「絶対に浮気されるって、あんなブスじゃ男も愛想尽かしちゃう」
 こちら気づかず、二人は笑いながら通り過ぎていった。
 その言葉を背中で聴いていた私、コップを持つ手が震えていた。今まで幾度となく「ブス」という言葉を投げつけられてきたので、もう慣れっこだ。でも浮気をされるという言葉は胸に突き刺さった。その内、龍一はブスの私に愛想を尽かして、もっときれいな女の子に目移りするに決まってる。
 きっと私は捨てられる。漠然とした不安に胸が震えた。

 そんな時だった、祖父が亡くなってうちの母にも少なからず遺産が入った、そこから結婚資金として私に五百万円くれた。そのお金で美容整形しようと思った。もちろん母には内緒だ。龍一と母には短期留学すると嘘をついて一ヶ月ほど入院した。
 いよいよ退院の日には、執刀した医者も絶賛するほど、別人のように美しく生まれ変わった!

 美しくなった私を早く見て貰いたくて、以前に二人で行ったカラオケ店に龍一を誘った。やっと留学から帰ってきたと喜んで来てくれる。
 先に行って驚かそうと部屋を暗くして待っていたら、龍一がドアを開けて入ってきた。
「美奈子どこ?」
「龍一、ここに居るよ」
「どうして電気を消してるんだ?」
「驚かせることがあるの」
 私は部屋の電気を点けた。一瞬、龍一はキョトンとした顔で私の方を見た。
「あれ? 部屋間違えたのかな」
「ううん。私は美奈子よ。美容整形したの。きれいになったでしょう?」
 私の顔を凝視して、彼の表情が曇っていく――。
「どうして整形なんかしたんだ」
「だって、私はブスだし……龍一に相応しい美人になりたかったの」
「僕が恋人を容姿で選んだと思ったのかい?」
「ブスのままだと浮気されそうだし……」
「浮気? 僕のことを信用してなかったんだね」
「龍一のことが好きだから、もっと愛されたいと……」
「美奈子の真面目で飾らない、ありのままの姿が好きだった。整形で自分を偽った君のことはもう愛せない」
「そ、そんな……」
「僕がいなくても……美人になった君は男性に注目されて愛されるだろう。さよなら……」
 そういって部屋から出て行ったきり、龍一は帰ってこなかった。
 こんなはずじゃなかった! 美人になったらもっと愛されると思っていたのに……捨てられてしまった。おまけに整形したことが母に知れて「そんな顔の人は、私が生んだ娘じゃない!」と怒って家から追い出された。
 美容整形に成功したけれど、恋愛には失敗した。思惑が外れて「美人になる」≠「愛される」だったから――。
 どうすればいいの? これからは、美しい顔だけを頼りに生きていくしかないのだ。


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このストーリーに関するコメント

17/03/28 そらの珊瑚

泡沫恋歌さん、拝読しました。

再度整形して元の自分の顔に戻すというのはどうでしょうか。
でも一度信用をなくしてしまった彼との修復は難しいかもしれませんね。

17/03/29 まー

整形大国の韓国などは美に対する執着が異常なんじゃないかと思ってしまいますが、文化や気質の違いなどもあるんだろうなと思っています。
それでもやはり、メンタルが美人になってこそのにじみ出てくる美しさというものが男女問わず重要視される世の中になってほしいものですね。
興味深い作品でした。

17/03/29 冬垣ひなた

泡沫恋歌さん、拝読しました。

お気の毒な話ですね。美に関しては絶対的な世間の基準があって、それに振り回されることは誰しもあるだろうだけに考えさせられました。
整形=もとの自分を捨ててしまった彼女が、何とかやり直すか、新しい道を生きていければと思います。

17/03/30 泡沫恋歌

そらの珊瑚 様、コメントありがとうございます。

たとえ、もう一度整形し直したとしても・・・一度失った愛情と信用を取り戻すのは難しいそう。
良かれと思ってやったことが裏目に出てしまい可哀想な話かもしれない。

17/03/30 泡沫恋歌

まー 様、コメントありがとうございます。

いくら外見を美しく整形しても、心が醜ければ・・・その人間性が表情や喋り方にも表れて、
ちっとも美人じゃないと思う。
本当の美人は顔やスタイルだけではなく、心映えの美しい女性だと私は思います。

17/03/30 泡沫恋歌

冬垣ひなた 様、コメントありがとうございます。

女の子は誰しもきれいになりたいという気持ちがあると思うんです。
恋をすれば、余計にその気持ちが強くなってきます。
恋人に浮気されないように美容整形したことで、結果的に恋人に嫌われてしまった彼女は、
ただ美しさに惹かれて寄ってくる男たちと偽りの恋をするしかないのでしょうか。

17/04/06 霜月秋介

泡沫恋歌さま、拝読しました。

美しくなりたいという女性の願望はわからなくないのですが、やはり整形してしまっては、そのあとは自分を偽って生きることになるでしょうね。
外見も大事かもしれませんが、やはり重要なのは内面ですね!教訓のようなお話を有難うございます。

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