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サイレン

17/03/27 コンテスト(テーマ):第130回 時空モノガタリ文学賞 【 失敗 】 コメント:0件 OSM 閲覧数:144

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 郊外の河原に、三歳くらいの男児が正座し、地面に横線を何度も引くように右手を動かしている。口では「ぶーぶー」と言っている。ミニカーを手動で走らせて遊んでいるのだ。
 車種はなんだろう? 背後から忍び足で接近し、肩越しに覗き込む。男児は右手に何も持っていなかった。
 男児が振り向いた。私の顔を一目見た途端、火がついたように泣き出した。どこか遠い場所から、けたたましいサイレンの音が聞こえてきた。それに紛れて、複数の足音が近付いてくる。上半身裸の警官たちだ。
「乗るんだ!」
 男の声がした。泣きじゃくっている男児の膝先あたりから聞こえる。
「小さくなって乗るんだ! さあ、念じろ!」
 小さくなれ、と念じた瞬間、意識が遠のいた。
 我に返ると、私は見覚えのない車内の後部座席に座っている。
 車外でサイレンが鳴り響いている。
 息を呑み、運転席を覗き込んだ。
 上半身に何も着ていない男がにやりと笑った。


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