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かめかめさん

http://ameblo.jp/kamekame1976/ ブログデシセイカツバクロチウ

性別 女性
将来の夢 印税生活
座右の銘 ハワイに行きたいと思ったら、一歩踏み出さないといけない。 ハワイは向こうから近づいてこない。

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恐怖の強風

17/03/26 コンテスト(テーマ):第130回 時空モノガタリ文学賞 【 失敗 】 コメント:0件 かめかめ 閲覧数:202

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 かずくんのおじいちゃんはすごく強い。
 空手、柔道、剣道、どれも強い。
 頭もいいし、おしゃれで、かっこいい。
 かずくんは自慢に思っているけれど、怖いときもある。

 かずくんは泣き虫で怖いものがたくさんある。
 虫も、犬も、雷も、暗いところも。
 おじいちゃんは、かずくんに強くなってほしくて虫や、犬や、雷や、暗いところを怖がっているかずくんの背中を押す。かずくんはますます怖くなって泣いてしまう。
 おじいちゃんは「やれやれ」と言ってため息をつく。

 ある日、おじいちゃんのため息を聞いていて、かずくんはふと考えた。

「おじいちゃんは何が怖いの?」

 おじいちゃんは胸を張った。

「何も怖いものはないぞ」

「おばけも?」

「怖くない」

「ニンジンも?」

「怖くない」

「プールも?」

「怖くない」

 かずくんは、なんだかがっかりした。自分だけが怖がりで、かっこ悪い。かずくんはおじいちゃんと遊びに行くのが嫌になった。

 台風がきた。かずくんは怖くて布団の中に隠れた。おじいちゃんが、かずくんの布団をはいだ。

「なんだ、かずはまた怖がって」

 かずくんは泣きべそをかいた。

「おじいちゃんは台風が怖くないの?」

「ぜんぜん怖くなんかないぞ」

「じゃあ、外に出られる?」

 おじいちゃんは「うっ」と言って黙った。

「やっぱり、おじいちゃんも台風が怖いの?」

「怖くなんかない! そこで見ておきなさい!」

 そう言っておじいちゃんは外へ出た。かずくんは窓から外を見ていた。
 おじいちゃんは庭で仁王立ちになって胸を張っている。片手で風に荒らされている髪を押さえている。

「すごいや、おじいちゃん!」

 かずくんが笑顔で両手をふると、おじいちゃんもバンザイして手をふった。
 その時、すごく強い風が吹いて、おじいちゃんの髪の毛がぴゅーっと飛んでいった。
 おじいちゃんの頭がつるっと光った。おじいちゃんは飛んでいく髪の毛をあわてて追いかけていった。かずくんはぽかんと口を開けて見ていた。

 やっと帰ってきたおじいちゃんは全身ずぶ濡れで、くちゃくちゃになった髪の毛をかぶっていた。おじいちゃんはかずくんと目が合うと、

「台風は怖いな」

 とぽつりと言った。


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