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冷雨さん

物語だったり。書くのが好きなその辺にいそうな奴。

性別 女性
将来の夢
座右の銘 蛇に噛まれて朽ち縄に怖じろ

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絶滅危惧種

17/03/19 コンテスト(テーマ):第131回 時空モノガタリ文学賞 【 電車 】 コメント:0件 冷雨 閲覧数:180

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これは、ちょっとした奇話である。

経験した者はいるのでは、と思う。その程度のことだ。
誰しもが経験しているようでしていないようなこと。

誰しもが聞いたことがある“痴漢”
それは下劣な行為であり卑猥であり、犯罪である。
その言葉一つを表そうとするなら低レベルで罪に似通うそれらを連ねるだろう。

強いていうなら犯罪であり、すれば逮捕される。
では、冤罪ではどうだろう?

スカートがやたら短い女子高生が、目の前に居て。突然腕を掴まれこう叫ばれる。

「痴漢です!」

そんなことをされれば被害者側が完全に有利であり腕を掴まれれば完全に不利なのである。
そんな場面を見たことがあろうか。

犯罪か冤罪を問わずとも、腕を掴まれた方は、“バレてしまった”“罪人になってしまう”そんな思考で顔面蒼白だろう。
腕を掴んだ方は、“してやった”“やってやる”と意気込みがあるか、決意を込めた表情だろう。

そんな場面を目の当たりにして、どちらを信じられようか。
女を信じませうか。男を信じませうか。

たいていは、弱い者を守ろうとするのが人間で。
その場に女性がいたならそれは凄まじい殺気を帯びているだろう。
弱い者を守らなければという働きで。男性は特に女性を守ろうとするだろう。
それも冤罪かもしれないと心の内に留めながら。

さて、ここで不思議な問をしよう。
もし痴漢の冤罪がもっと出回ってしまったら。

本当の痴漢魔はしめしめと犯行に及ぶのでは?

冤罪が増えれば、被害者側であった女子高生やら女性たちは電車という空間では圧倒的に不利になる。
そんな中で、本当に痴漢に合った時、どう対応できようか。

痴漢です。と叫ぼうか。
それはまた冤罪だろう。と見逃されてしまうのでは。そんなことで声を出せないのでは。
まるで羊飼いと狼のように。自分ではない誰かの嘘に苛まれてしまうのではないだろうか。

人の心情とは簡単に操作できる。流行に乗っ取る人間は皆そうだ。


弱い者を守らなければ。


その思考が弱い者の肩身を狭くしてしまってはいないか?
弱い者はそれなりの知恵がある。
だから女性は強いのだ。


先日、私は電車で座っていた。
隣に座ってきた女性が足をよく密着させるのだ。
パーソナルスペースは重んじるべきだろうと思い、私は立ち上がりすぐそばのドア付近に立ったのだ。

下を向いていて気づかなかったが電車ないはガラリと空いている。
そんな中で隣に座ってきたということはそれだけ人肌恋しいか痴漢魔になり下げようとしていたのか。

性別をもっと確認してほしいものだと呆れつつ、露出度の高い服を見つめた。
3月だ。まだ寒いぞ。と思いつつマフラーを差し出してみる。

「寒そうですね。端の座席は暖房がありますもんね。温まるといいですよ。」

声色を聞いてハッとした彼女はいりませんと冷たく告げて隣の車両へヒールを響かせて去っていった。
人見知りな私が勇気を出して語りかけたのも呆気なかった。
とても後悔しながら元の場所に座りなおしてマフラーを付ける。

しっかりと首に巻いてからイヤホンを付ける。
ふと前の席に座っている男性が咳払いをしていた。
口角あげて笑っているようで。とても面白そうだと言わんばかりにうなずいていた。

それを後日、親しい友人に話すと、

「性別間違われるほどの身長ないのにね。」

と小ばかにされてしまった。


あれ以来あの電車には乗っていない。
偶然遠出の用があって乗っただけだし、最後尾あたりの車両だったからだ。
いつも乗るのは反対なので大した心配はないだろうと、私はほぼ毎日電車に乗っている。

世の女性は常識と人間的な感情を学び直し。
世の男性は異性との接し方や人間的なものではなく生物学的に女性を見直した方がいい。

そこまで守ってやらねば死んでいるような女性が溢れていれば世の女性は絶滅しているだろう。

と、

そんなことを男性に対して頭を小突いて言ってやりたいが。
届かない男性が多いので足を蹴りたいと思っている。



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