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瀧 千咲さん

瀧千咲と申します。 小説を書き始めたばかりで、分からないところも多いのですがよろしくお願いします。 ライトノベルからミステリ、恋愛小説まで幅広く読みます。

性別 女性
将来の夢 将来は中学校の先生を目指しています。
座右の銘 弱気は最大の敵

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リセット

17/03/05 コンテスト(テーマ):第130回 時空モノガタリ文学賞 【 失敗 】 コメント:0件 瀧 千咲 閲覧数:204

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「どうです、そちらの方は?」
モニターと睨めっこしている彼に同僚Aが声をかけてきた。
「んー、前よりかは長いこともってるけど、さすがに80億年は持たなさそうですね」
「あー、やっぱり?こっちもちょっと厳しめです。というかほぼ無理ですね」
「そうなんですか」
「ちょっと、核戦争始まりそうな予感がしてて」
「あらまー。うちもこれのひとつ前は核戦争で滅びましたよ」
「世界大戦は今までも何度かあったんですけど、次のやつは核使いそうで…」
「こっちは、いまのところ世界大戦はないんだけど、平和な世の中だから人口はめっちゃ増えて、食糧難とエネルギー難」
「あ、そのパターン世界大戦に繋がりますよ」
「え、マジですか」
「経験談です」
「平和だと平和で困ったもんですね」
「核戦争でドンパチやるよりかはまだマシですけどね」
「でも、Cは核戦争二回あったけど人類まだ生きてるっぽいですよ」
「えー、そうなんですか」
「1回目で人口が3割近く減って、2回目で9割近くが減ったらしいんですけど、残りの人類は地上じゃなくて地下で生活して生きながらえているみたいです」
「なるほど。ちょっとCにコツ聞いてきます」
「あー、確かさっきまで制御室303にいましたよ」
「ありがとうございます。Bさんも頑張ってくださいね」
そういって彼は部屋から出て行った。
Bは少しため息をついて再びモニターを見る。モニター上には人口数や化石燃料の埋蔵量、紛争の数とその地域、人類が現れてからの年数など様々な数値が止まることなく変化していた。
モニターから顔を上げると、白い壁に「目標80億年」とでかでかと赤で書かれた紙が貼られている。
「いやー、80億年は厳しいって」
ぐっと背伸びをしながら愚痴をこぼす。今までなんども宇宙を作り、生命体が生存できる星をつくり、人類と呼ばれる生き物を作ってきたが今まで80億年滅ばなかったことはない。長くても60億年くらいで滅んでしまう。上司には人類という生き物を作らなければ他の生命体は滅ばないと申告しているのだが…。
ほんと、この害虫め。あ、ほらほらまた戦争しだした。あー、待って、核使う?使っちゃう?え、使うの?あららー、使っちゃった。あー、ほらもうー、やめとけって言ったのにー。
モニターの数字がガクッと減る。
「これは結構早めに滅ぶ気がするなあ」
それから数か月後、見事に人類は滅んだ。
まあ、数か月といっても「こちら側」の数か月であって、人類にとっては数千年たっているわけなのだが…。
「はあ〜報告書めんどくさいなあ」
そもそも、どうしてこんなことをしているのか。理由はただ一つ、上司の上司のそのまた上司の退屈しのぎのためだ。地球で起こったことを報告書にまとめて報告すると、上司がそれを物語風の本にまとめてお偉い方々に献上するのだ。人類は神だとか創造主だとか崇めているが、実態はこんなもんである。創造主はいわゆる「神」の中でも下っ端の人間の役割だし、人間たちが必死に祈りを捧げたってお偉い神様方は聞いてはいない。たまーにちょっと神っぽいことしとくか的なノリで助けたり助けなかったりする。神って、結局はそんなもんよ。
「とりあえず、リセットするか」
 慣れた手つきでリセットコマンドを入力する。
「今回も失敗か」
もはや、人類がいる限り地球が滅ばない道を想像できない。


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