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クナリさん

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ショートコント:語彙力が消える沼

17/02/28 コンテスト(テーマ):第129回 時空モノガタリ文学賞 【 都市伝説 】 コメント:4件 クナリ 閲覧数:683

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 (森の中のセットに、上手から高校生姿の二人登場)
A「ああ、俺たち沼研究会の二人ともあろうものが、道に迷ってしまうなんて」
B:本当だな。でもこの辺りに必ずあるはずだ。あの伝説の沼が。
A「『はまると語彙力が消える沼』か…ただの都市伝説だろうか」
B:実は俺、小説家を目指してるんだ。もし俺がうっかりその沼にはまって語彙力を失ったら、もう生きる気力がない。
A「お前なんで来たんだよ」
B:その時は、この間俺たちが北千住の神社で習った『魂殺し』の呪術で俺の心を殺してくれ。
A「何だかお互いに凄まじいリスクを背負った気がするが、まあせいぜい気をつけようぜ。そういえばもうひとつの都市伝説知ってるか?」
B:もうひとつ?
A「その沼は語彙力を失うだけじゃなく、別れたい恋人と円満に別れることができるそうだぞ。ウザい彼氏がいる女とかがよく来るらしい」
B:へ〜。じゃあこんなとこで彼女とハチ会わせたりしたら最悪だな。お前、C子と付き合ってんだろ?
A「笑いながら全くだ。そうなったら俺に『魂殺し』してくれよ」
(A、藪の中へ退場)
B:あれ、はぐれちまったか。まあ携帯あるし大丈夫だな。
C子「あ、B君!?」
B:お前は、C子じゃないか!? なぜこんな所に…ハッ!?
C子「(マズいという顔)」
B:ま、まさかC子、Aと別れようとして伝説の沼に!?
C子「ち、違うのよ」
B:何が違うんだよ!?
C子「全然違うの! 本当に違くて! 絶対違うし、凄く違うの!」
B:語彙力なくなってる! 足ビチャビチャ! ガチだなお前!
(A登場)
A「おお、B。ここにいたのかー」
(C子隠れる)
B:お、おうおうおういたいた! 俺だけがここにいたよ!
A「は?」
B:は、早く行こうぜマジで! いや、もう今日は帰ろうかガチで! 天気もメッチャ怪しいし!
A「え?」
B:マジもう帰る感じじゃね? な、ガチで凄く帰りてえな、俺!
A「お前…語彙力が!? まさかもう沼に!」
B:えー! ち、違う違う! マジで違うから!
A「違くねえじゃねえか! お前、自分だけ沼を見つけたな! いくら沼マニアだからって独り占めする気か」
C子「物音立ててAに見つかる」
A「え!? C子何でここに…まさか俺と別れようと! お前ら二人まさか!」
B:ええ!? 違う違うそれはマジで違う!
A「黙れ!」
C子「そっそうよそうよガチで違うのよ! ああヤバイリアルにヤバイ!」
B:お前は本当に黙ってろ!
A「こんな裏切りに逢うなんてな。もう生きる希望を失ったぜ。こうなったら、自分で自分に『魂殺し』をかけるとするか…」
B:や、やめろA! 違うんだ!
C子「オーライ!」
B:うるせえ!
A「止めてくれるな、はあー!!」
B:A〜!!
C子「ジャスティス!」
B:お前ほんと最悪だな!
A「…あれ?何ともない?」
B:えっマジで?
A「バカな! なぜ『魂殺し』が発動しない!? 常磐線界隈の伝説と言われた奥義が!」
B:ああ、もしかしたら…。
A「何だよ!?」
B:都市伝説だったんじゃねえかな。


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このストーリーに関するコメント

17/03/01 まー

語彙力が消える沼......物書きにとっては恐ろしい沼ですね。人がテンパったときの語彙力の消え方って本当にこんな感じです(笑)。
実際にショートコントを観ている感じで楽しめました。ありがとうございます。

17/03/03 クナリ

まーさん>
実際の演者さんにやっていただけるくらいのクオリティか、いずれ出せたらいいなあと思って書いております。
面白いって、難しいですよね……!
コメント、ありがとうございました!

17/04/03 光石七

まさにコントを見ているようで、非常に楽しく読めました♪
元々語彙力の乏しい私は、この沼はあまり怖くないですね(苦笑) 語彙力がアップする沼があればいいのですが。
面白かったです!

17/04/09 クナリ

光石七さん>
何をおっしゃってるんですかッ語彙力ありありですよー!
自分の文体で笑いをやるのは本当に向いていないんだろうなあと思いながら、それでもできることを模索したり、やり方変えたりであがいてます(^^;)。

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