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こぐまじゅんこさん

詩を書いたり童話を書いたりしている主婦です。 みなさん、よろしくお願いします。 MyISBN−デザインエッグ社さんから、絵本「おしえて!ねこばあちゃん」を出版しました。 アマゾンでも取り扱っていますので、よかったら みてくださいね。 ブログ「こぐまのノート」も書いています。

性別 女性
将来の夢 自分の書いた童話を孫に読んで聞かせたいです。
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ハッピークリスマス

12/11/12 コンテスト(テーマ):第十九回 時空モノガタリ文学賞【 クリスマス 】 コメント:2件 こぐまじゅんこ 閲覧数:1864

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 私は、高校2年生。県下でも有名な進学校に通っている。授業は0時間から7時間まである。どんだけ勉強するんだろう、とぼやきながら、みんなについていくのがやっとだった。
 数学が大の苦手で、授業中は、ちんぷんかんぷんだった。しかも、数学の先生が、鬼の川田と言われる超こわい先生だったので、数学の授業がある日は、私は朝から胃が痛かった。
 先週の月曜日に席替えをしてから、私の隣には、山崎君がすわるようになった。
 私は、女の子とでも、仲のいい2人といつもくっついているような目立たないおとなしい子だった。いじめられるということはなかったけれど、活発な子と不良には、かかわらないようにしようと心に決めていた。
 それなのに、隣に座っている山崎君は、クラスで1番元気な活発な男子だったのだ。
 私は、自意識過剰なのかもしれないが、男子としゃべるのは、苦手なのだ。変に意識してしまって、頭の中が真っ白になってしまう。山崎君とも、私はまだ、ひと言もしゃべっていない。
 ところが、数学の授業中、山崎君は、やたら話しかけてくるのだ。
「なぁ、伊藤!ここの問題、なんでこんな式になるんだ?」
仕方なく説明するはめになる私。こうして、なんとなく山崎君とだけは話せるようになってきた。山崎君は、ごくごく自然に話しかけてくる。私は、ちょっぴり山崎君が気になりだしてきた。もしかして、私にも初めて彼と呼べる人ができるかも・・・、と毎日、学校に行くのが楽しくなってきた。朝シャンもするようになったし、あみんの「待つわ」を聴いては、じーんとしていた。
 今日の数学の授業中も、あいかわらず、山崎君は、話しかけてくる。
ついつい私も答えていると、鬼の川田が、
「おい!山崎の女!次、解いてみろ。」
と、ほえた。

 えっ、何?山崎の女って。先生、そんな・・・・。
私は、しぶしぶ立って問題を解いたけれど、それから山崎君とは、ぎくしゃくしだした。
お互い変に意識して、しゃべれないのだ。
 くそー、鬼の川田のせいだ、と私は腹が立ったけど、どうしようもなかった。

 そして、1か月が経ち、クリスマスがきた。
進学校なので、冬休みも補習は毎日ある。クリスマスも関係ない。
 授業が終わって、私は、女友だち2人にプレゼントを渡すと、2人とも彼と約束してるからと、すぐ帰ってしまった。
 あれから席替えもして、山崎君とは全然しゃべらなくなっていた。初めての彼の夢もこわれ、私はまた、ひとりぼっちのクリスマスをすごすんだ。

 放課後、1人さみしく廊下を歩いていると、山崎君が待ちかまえていた。
あれっ?どうしたんだろう。

 無視して行こうと思った時、山崎君が、
「ちょっと待てよ。なんか鬼の川田のせいで気まずくなっちゃったけど、おれ、おまえのこと好きなんだ。つきあってくれないか?」
って言ってくれた。
 私は、びっくりして、声もでなかった。こくんとうなづくと、山崎君が、
「やったぁ!」
と、ガッツポーズをしていた。

 今から思うと、あの鬼の川田は、私のサンタさんだったんじゃないかしら。


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このストーリーに関するコメント

12/11/18 泡沫恋歌

こぐまじゅんこ 様。

拝読しました。
思わず「うふふ♪」と微笑んでしまうような可愛いお話ですね。

私も数学は大の苦手で・・・数学の授業の間は当てられないように
気配を消して、ひたすら時間の経つのを待ってました(笑)

12/11/18 こぐまじゅんこ

泡沫恋歌さま。

この先生の言葉。実際に言われました。
でも、告白されたのは、創作です。
創作は自分の夢が書けるので楽しいですね。

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