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メモリアル

入賞した作品THE STORY WHICH WON

子どもの報酬

コンテスト:第153回 時空モノガタリ文学賞 【 報酬 】

カテゴリ: 登録日:18/03/04

入賞時空モノガタリ文学賞 【 報酬 】 入賞作品

 父は私がすっかり大人になった今でも、ごほうびだと言ってキャンディやチョコを用意している。 「だってお前、甘い物が好きだろう」  そう言って目尻を下げてとても優しく笑う。  ええ、好きだったわ。甘い物が好きな小さな女の子だった。けれどお父さん、私はもうチョコで口の周りを汚していた女の子ではないのよ――とそう言っても、父は「そうか」と言ってまた忘れ、私の為のお菓子を用意して待っている。 「嫌いじゃな...... 続きを読む

宝石を食べる悪魔と契約した話

コンテスト:第153回 時空モノガタリ文学賞 【 報酬 】

カテゴリ: 登録日:18/03/04

入賞時空モノガタリ文学賞 【 報酬 】 入賞作品

 結婚式まであと二週間だった。招待状も出したし、ドレスも料理も何もかも全部決まっていた。  なのに、あの男は、 「ごめん! 彼女のことが好きになったんだ!」  後輩に手を出していた。 「先輩っ、ごめんなさい」  わざとらしく、後輩が泣いている。 「すまない、彼女は悪くないんだ。俺がっ」  全員が同じ職場だ。私が結婚することを後輩も知っていた。迫ったのが彼からだったとしても、女が悪くないわけがない。...... 続きを読む

引火メチル着火アルコホル

コンテスト:第152回 時空モノガタリ文学賞 【 酒 】

カテゴリ: 登録日:18/01/08

入賞時空モノガタリ文学賞 【 酒 】 入賞作品

 中学二年生になったばかりの岡田マイは、普段から愛想がない。 「お母さんの、キャバクラの仕事って忙しいみたい」 「へえ」  同じ団地に住む、しかし常にそっけない幼馴染みの加藤ケイスケと、昨年からゴーストタウン化したその団地の物陰で話すのが、マイの日曜日の過ごし方だった。  地面に打たれたコンクリートが、何のせいなのか一メートル四方ほどクレーター状に浅くえぐれた場所がある。そこにはよく水が溜まってい...... 続きを読む

この一杯のために

コンテスト:第152回 時空モノガタリ文学賞 【 酒 】

カテゴリ: 登録日:18/01/16

入賞時空モノガタリ文学賞 【 酒 】 入賞作品

 子供の頃、私にはお父さんがよく口にする嫌いな言葉があった。仕事から帰宅して晩酌する時に一杯目のビールを美味しそうに飲んで必ずこう言うのだ。 「あぁ、この一杯のために生きてるわー」  それを聞くたびにお父さんは私よりもお酒の方が大事なのかな、などと思って勝手に傷付いていた。我ながら可愛いらしい少女時代だ。それでも時々私が正面の席に座り、ビールをお酌してあげると「由依が注いでくれるビールは格別だな!...... 続きを読む

月の夜に

コンテスト:第152回 時空モノガタリ文学賞 【 酒 】

カテゴリ: 登録日:18/01/19

入賞時空モノガタリ文学賞 【 酒 】 入賞作品

上弦の月が出ていた。 底冷えする寒さのなか、月明かりを頼りにキンと冷えた井戸水で野菜を洗う。木製の勝手口からは客の楽しそうな笑い声が漏れ聞こえてくる。 「光太、来るついでに紅さつきを持ってきてくれないか?」 勝手口が少し空き、店主銀次が声を掛けた。光太は振り向いて首を伸ばし「ハイ!」と返事をした。 光太は野菜と一緒に冷やされていた薩摩焼酎『紅さつき』を水から拾い上げタオルで水滴を拭った。カウンター...... 続きを読む

再会

コンテスト:第152回 時空モノガタリ文学賞 【 酒 】

カテゴリ: 登録日:18/01/24

入賞時空モノガタリ文学賞 【 酒 】 入賞作品

 8年ぶりに再会した宮下は、記憶にあるよりほんのちょっとオッサン化していた。30なんて感覚としては学生の頃と大差ないが、時は確実に過ぎているらしい。  私が選んだ人気のスペイン料理店。カジュアルだが客単価が若干高めなので落ち着いた雰囲気だ。宮下とこんなお店に入る日がこようとは思わなかった。  サーバーに飲み物を聞かれ、宮下はメニューも開かずに「生」と応じる。  私の胃がきゅっと縮んだ。サーバーは慣...... 続きを読む

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