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メモリアル

入賞した作品THE STORY WHICH WON

饒舌な沈黙の行方

コンテスト:第149回 時空モノガタリ文学賞 【 弁当 】

カテゴリ: 登録日:17/11/30

入賞時空モノガタリ文学賞 【 弁当 】 入賞作品

 真冬の深夜の弁当工場はその清潔さが寒々しい。俺は焼売をひたすら詰める。それは段々と焼売に見えなくなりついには話しかけてくる。「しけた顔してんな」「向き逆だよ」一瞬の出会いだが、同じ顔の焼売が去り際に一言ずつ話しかけてくるから会話が続いてるように錯覚する。それは俺の脳内で作り上げてる会話だ、わかってる、大丈夫だ。黙っていると視界が歪んで頭がぼーっとしてくるから担当食材と話すようになった。誰とも話さ...... 続きを読む

弁当屋は巡回する

コンテスト:第149回 時空モノガタリ文学賞 【 弁当 】

カテゴリ: 登録日:17/12/10

入賞時空モノガタリ文学賞 【 弁当 】 入賞作品

 その人気の弁当屋は高層ビルの五十六階にあった。人気があるということは行列が出来るということで、弁当を買うためには列に並ぶ必要があった。普通の店ならばビルの五十六階までエレベーターを使って昇ればよかったのだが、この店は人気があるために階段を歩いて登らなければならなかった。つまり一番下の階から最上階までの螺旋状の階段をずっと人が並んでいるのだった。  数時間並べば弁当が買えるというほど生易しくはなか...... 続きを読む

誰が為の弁当

コンテスト:第149回 時空モノガタリ文学賞 【 弁当 】

カテゴリ: 登録日:17/12/10

入賞時空モノガタリ文学賞 【 弁当 】 入賞作品

 勤務先に合わせて、会社近くのアパートに一人暮らしをすることになった。壁の薄いワンルームで、手狭な間取りだった。びっくりするほど安くて、噂によると事故物件らしいが、男の一人暮らしには十分だ。  ちゃんと自炊しようという当初の決意とは裏腹に、僕はすっかり疲弊していた。上司に注意され、胃を痛める日々。自炊する暇なんてない。昼食は菓子パンで済ませるような日々が、数ヶ月続いた頃のことだった。 「あれ?」 ...... 続きを読む

べんとう はなえ

コンテスト:第149回 時空モノガタリ文学賞 【 弁当 】

カテゴリ: 登録日:17/12/16

入賞時空モノガタリ文学賞 【 弁当 】 入賞作品

 山あいの小さな町、川に面した一本道に、間口一間(いっけん)にも満たない小さな店がある。  『べんとう はなえ』。ヒロシの婆ちゃんが40年続けてきた弁当屋である。師走に入ったその月、木枠のガラス窓に手書きの貼紙が出た。 『閉店のお知らせ 長らく町内の皆さまに愛されて参りましたが、年内で店をたたむことに相成りました。 おせちの予約は十二月二十日まで。通常の弁当販売は三十日まで。三十一日はおせちの受...... 続きを読む

2 plus 1

コンテスト:第149回 時空モノガタリ文学賞 【 弁当 】

カテゴリ: 登録日:17/12/18

入賞時空モノガタリ文学賞 【 弁当 】 入賞作品

 夕食後に翌日のお弁当の仕込みをするのが私の日課だ。青椒肉絲に使うピーマンと筍を細切りにし、唐揚げ用の鶏肉を大きめの一口大に切る。切った鶏肉は塩麹で揉みこみ、生姜と大蒜、醤油を加えて一晩漬けておく。副菜は作り置きしてある野菜と茸のマリネにきんぴらごぼう。明日の朝は卵焼きを作り、メイン二品を仕上げて三人分の弁当箱に詰めるだけだ。  後片付けをしていると、妹の莉那が不機嫌気味な顔で帰ってきた。 「平井...... 続きを読む

シュロの髪の毛

コンテスト:第148回 時空モノガタリ文学賞 【 ホラー 】

カテゴリ: 登録日:17/12/03

入賞時空モノガタリ文学賞 【 ホラー 】 入賞作品

 シュロの木をあまり見つめてはいけないと言われていた。あの幹に絡みついているのは、あれは人の髪の毛だから。  祖父母の家は古びた家屋で、庭にはシュロの木が生えていた。その幹にまとわりつくようなその繊維は、幼い目には人の毛のように見えもした。ごそりとした手触りのそれに指を埋めれば、そこから人の目が覗くような気さえしていた。  子供の頃、両親に何か用事があって家を空ける日があった。その日は祖父母の家...... 続きを読む

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