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メモリアル

入賞した作品THE STORY WHICH WON

浮かぶ魚と、セーラー服

コンテスト:第156回 時空モノガタリ文学賞 【 浮遊 】

カテゴリ: 登録日:18/05/18

入賞時空モノガタリ文学賞 【 浮遊 】 入賞作品

 入り江の先に、オレンジ色のひとの頭ほどの玉が浮いている。一列になって、ぷかぷかと。そこに向かい、泳ぐというか流されるというか、一度も止まらず、まっすぐ進んでいく小さな頭。  こんなにも私が吼えているのに、振り向きもしない。 *  弟のセイジが好きなもの、最大の関心事は、「浮いているもの」だ。  物心つく頃からずっと。それこそ大人たちが「おや、この子はもしやちょっと」と気づく前から...... 続きを読む

俺とアイツの3時間

コンテスト:第156回 時空モノガタリ文学賞 【 浮遊 】

カテゴリ: 登録日:18/05/22

入賞時空モノガタリ文学賞 【 浮遊 】 入賞作品

 「急がば回れ」などという言葉がある。  ちょっとばかし閉所恐怖症の俺は、エレベーターには極力乗らずにいつもは階段を利用する。だが、オフィスのある九階から一階まで降りるのはやはりエレベーターの方がだいぶ早い。  仕事を終えた俺は、時計を見ると今日は予定より一本早い電車に乗れそうだったので、珍しくエレベーターに乗り込んだ。良くも悪くも、それがすべての始まりだった。  やはり閉鎖空間は少しそ...... 続きを読む

月凪公園奇譚

コンテスト:第156回 時空モノガタリ文学賞 【 浮遊 】

カテゴリ: 登録日:18/05/28

入賞時空モノガタリ文学賞 【 浮遊 】 入賞作品

「……防犯カメ……映像……犯人の特ちょ…………不審物には充分……てください……」  ラジオのチューニングがうまく合わない。一週間前から電波がよくないのでラジオもテレビも調子が悪いが、これはしばらく仕方ないだろう。 「……次は、月凪公園浮遊のニュースです。突如として月凪公園が浮き上がってから一週間が経ちました。各分野の研究者が調査を続けていますが未だに原因は特定できず、周辺住民の不安は続いていま...... 続きを読む

浮遊する言葉たち

コンテスト:第156回 時空モノガタリ文学賞 【 浮遊 】

カテゴリ: 登録日:18/05/28

入賞時空モノガタリ文学賞 【 浮遊 】 入賞作品

学校の帰りに100円ショップによってうろうろしている時だった。いつものようにスマホでラジオを聴きながら。耳にはイヤホンが入っている。 隣に立っていた同い年ぐらいの男子が私の方を見てハッとしたようで、何か言っている。イヤホンをしていたので聞こえなかったので、片耳だけ外して 「なんですか」 と聞いた。 「そのステッカー、金曜のラジオの・・・」 私のスマホに張っている小さなステッカーのこと...... 続きを読む

街のヒーロー

コンテスト:第155回 時空モノガタリ文学賞 【 ゴミ 】

カテゴリ: 登録日:18/04/16

入賞時空モノガタリ文学賞 【ゴミ 】入賞作品

 ぼくの父は、大きなトラックでゴミを集めるのが仕事です。  社長ですがそっせんして現場で働き、街をきれいにするヒーローなのです。  小学5年の春。あの作文をクラス皆の前で誇らしげに読み上げたアイツは、その日からいじめの対象となった。    *  店を出ると、薄いカーディガン越しの肩に冷えてけぶった空気が触れた。  午前5時半。闇を浄化するように空が青くなりつつある。主要路線が集...... 続きを読む

手放す、心得

コンテスト:第155回 時空モノガタリ文学賞 【 ゴミ 】

カテゴリ: 登録日:18/04/23

入賞時空モノガタリ文学賞 【ゴミ 】入賞作品

 真新しいくまのぬいぐるみを胸に押しつけ、仏頂面した子供の隣で、小奇麗な女性が支配人に深く頭を下げた。支配人がにっこり笑い、ふたりを見送る。  私はそれを、従業員用の扉の隙間から覗き見る。 「一件落着」  背後で野太い声がして、私は飛び上がった。  ホテル『やすうら』清掃チーフの高根さんだ。勤続22年の自称「永遠の25歳」。 「いい勉強になったでしょ。ああいうののために、『お取り置き』す...... 続きを読む

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