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メモリアル

入賞した作品THE STORY WHICH WON

街のヒーロー

コンテスト:第155回 時空モノガタリ文学賞 【 ゴミ 】

カテゴリ: 登録日:18/04/16

入賞時空モノガタリ文学賞 【ゴミ 】入賞作品

 ぼくの父は、大きなトラックでゴミを集めるのが仕事です。  社長ですがそっせんして現場で働き、街をきれいにするヒーローなのです。  小学5年の春。あの作文をクラス皆の前で誇らしげに読み上げたアイツは、その日からいじめの対象となった。    *  店を出ると、薄いカーディガン越しの肩に冷えてけぶった空気が触れた。  午前5時半。闇を浄化するように空が青くなりつつある。主要路線が集...... 続きを読む

手放す、心得

コンテスト:第155回 時空モノガタリ文学賞 【 ゴミ 】

カテゴリ: 登録日:18/04/23

入賞時空モノガタリ文学賞 【ゴミ 】入賞作品

 真新しいくまのぬいぐるみを胸に押しつけ、仏頂面した子供の隣で、小奇麗な女性が支配人に深く頭を下げた。支配人がにっこり笑い、ふたりを見送る。  私はそれを、従業員用の扉の隙間から覗き見る。 「一件落着」  背後で野太い声がして、私は飛び上がった。  ホテル『やすうら』清掃チーフの高根さんだ。勤続22年の自称「永遠の25歳」。 「いい勉強になったでしょ。ああいうののために、『お取り置き』す...... 続きを読む

朝の時間

コンテスト:第155回 時空モノガタリ文学賞 【 ゴミ 】

カテゴリ: 登録日:18/04/30

入賞時空モノガタリ文学賞 【ゴミ 】入賞作品

 いつも、私は決まって朝六時に目が覚める。起きる必要もないのに目が覚める。何もすることがないから、しばらくパジャマ姿のままで布団の上に寝転がっている。ぼんやりと天井を眺めていると、窓の外から朝の音が聞こえてくる。車やバイクが通り過ぎていく音。私の部屋は二階にある。橙色のカーテンを開けて、道路に面した小さな窓を覗くと、中年の女性二人が家庭ゴミを抱えたまま立ち話をしていた。軽やかな女性ふたりの話声が耳...... 続きを読む

つぼみ

コンテスト:第155回 時空モノガタリ文学賞 【 ゴミ 】

カテゴリ: 登録日:18/04/30

入賞時空モノガタリ文学賞 【ゴミ 】入賞作品

 仕事帰りのいつもの路地にいつもの公園、いつもの早足をふと緩めて私はゆっくり夜空を仰いだ。立ち止まり大きく首を廻らせるが月は見えず、星がやけに瞬いているように感じられる。  私は静かに息を吸い深々と吐きだした。すとん、と何かが落ちた気がする。  私の気もちの中の何かが……と考えて「いやいや」と振り返った。本当に何かの気配がしたのだ。  公園の中に目を凝らすとジャングルジムのそばに人影があった...... 続きを読む

この日のために

コンテスト:第154回 時空モノガタリ文学賞 【 復讐 】

カテゴリ: 登録日:18/03/14

入賞時空モノガタリ文学賞 【 復讐 】 入賞作品

 とうとうこの日が来た。三十八年という人生、この日のために生きてきた。私は壇上におかれた金屏風前の椅子に座る。たくさんのカメラのフラッシュがたかれ、テレビカメラも入っている。日本で一番有名な文学賞受賞の記者会見の場。私は買ったばかりのスーツのポケットに手を入れる。そこには十年前にネットで入手してずっとお守りのように持っていた毒物のカプセル。今日こそ私を迫害した人々への復讐を果たし、このろくでもない...... 続きを読む

復讐の接吻

コンテスト:第154回 時空モノガタリ文学賞 【 復讐 】

カテゴリ: 登録日:18/03/20

入賞時空モノガタリ文学賞 【 復讐 】 入賞作品

「あなた、行ってらっしゃい…。」 「ああ、行ってくる。」  俺は、7年連れ添った妻の美紀に手を振った。もう二度とこいつの顔を見ることもないだろうと内心思った。目鼻立ちは昔と変わらず整っていたが、髪や肌にはもう艶がない。美紀の性格はお見通しで、これ以上発見も望めなかった。飽きていた。そろそろ生活を一新する必要があった。  俺は出張へ行くため、新幹線に乗った。閑散とした車内で椅子を倒し、目を閉じた...... 続きを読む

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