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メモリアル

入賞した作品THE STORY WHICH WON

竜宮の亀

コンテスト:第132回 時空モノガタリ文学賞 【 浦島太郎 】

カテゴリ: 登録日:17/04/16

入賞時空モノガタリ文学賞 【 浦島太郎 】入賞作品

 夏の日差しが射すアスファルトの路上に、亀が引っくり返っている。  海は遠く、近くに水場は無い。子供の悪戯だろうかと、俺は掌ほどの大きさの亀に歩み寄った。 「大丈夫か」  車通りのない道だから轢かれる事はあるまいが、そのままにしておく気にはなれなかった。 「やめて下さい」  手を触れる寸前、当の亀から声が上がった。 「助けないで下さい。私にどうか、触れないで下さい」  俺は目を丸くし...... 続きを読む

夏、カマキリ浦島とロンリー亀

コンテスト:第132回 時空モノガタリ文学賞 【 浦島太郎 】

カテゴリ: 登録日:17/04/20

入賞時空モノガタリ文学賞 【 浦島太郎 】入賞作品

 香川県の北西、瀬戸内海に突き出た荘内半島のとある中学。二年の春に東京から若林という転校生がやってきた。  讃岐の方言も田舎生活も見下し、いつも冷めた目で一匹狼を気取るため、夏休みを迎えた今も友だちはひとりもいない。  全身から湯気が昇るほど酷暑の午後、若林はいつもの場所に赴く。  鴨之越。  穏やかな瀬戸内の海と、こんもり緑に覆われた丸山島を望むここは、童話『浦島太郎』が亀を助けた浜...... 続きを読む

遠い未来のトロイメライ。

コンテスト:第132回 時空モノガタリ文学賞 【 浦島太郎 】

カテゴリ: 登録日:17/04/24

入賞時空モノガタリ文学賞 【 浦島太郎 】入賞作品

 銀色の車体は、まるで息継ぎをするかのように浮上した。窓から春の自然光が注がれ、車内の照明が消える。都心のターミナルからしばらく地面の下を這い進むこの路線は、郊外で闇を抜け、地上駅を北へと辿る。恵はほっと一息ついた。 『デパートにでも行っておいで。孝は俺が見ておくから』  朝、珍しく夫がかけてくれた言葉を反芻する。育児疲れの妻を心配したのだろう。その優しさに甘え、恵は久しぶりにきちんと化粧をし...... 続きを読む

待ち人

コンテスト:第132回 時空モノガタリ文学賞 【 浦島太郎 】

カテゴリ: 登録日:17/04/24

入賞時空モノガタリ文学賞 【 浦島太郎 】入賞作品

 その老婆は海に向かってゴミを投げていた。遠目から察するに、それは丸められた紙片のように見える。漁師である私にとって、老婆のその行為はとても許せるものではなかった。「海にゴミを投げ入れるのはよしなさい」と咎めれば良いのだが、老婆があまりにも汚らしく、およそ常人とは思えぬ風貌であったので、私は声をかけるのを躊躇っていた。しかし、このまま放置しておくわけにもいかず、意を決して老婆の元へと歩を進めた。 ...... 続きを読む

浦島太郎の怨返し

コンテスト:第132回 時空モノガタリ文学賞 【 浦島太郎 】

カテゴリ: 登録日:17/03/27

入賞時空モノガタリ文学賞 【 浦島太郎 】入賞作品

 竜宮城での三日三晩の宴を終え村に戻った太郎は、乙姫から貰った玉手箱を脇に抱え亀に告げた。 「当たり前の事をしただけなのに、楽しいひと時を過ごす事が出来ました。でも、亀さん今度は助けなくても良い様に、子供たちには用心して下さい」 「太郎さん、ありがとうございます。これからの事も心配してもらい、ホント良い人に助けて貰って感謝の言葉もありません」  お互いに深々とお辞儀をすると、太郎は沖合に消え...... 続きを読む

帰ってきたタロー

コンテスト:第132回 時空モノガタリ文学賞 【 浦島太郎 】

カテゴリ: 登録日:17/03/27

入賞時空モノガタリ文学賞 【 浦島太郎 】入賞作品

 タローは亀に乗せられ、竜宮城をあとにした。  美しさとかわいさを兼ねそろえた類稀な女性乙姫と過ごした、夢のような幸せな毎日が、頭のなかを繰り返し去来した。  魚たちが陽気に明るく舞い踊るそのけなげでサービス精神満点の姿に心から癒され、そのうえ、女の魅力のすべてをさらけだして尽くしてくれる乙姫がつねにそばにいてくれるのだから、ままならない浮世の苦労や人生の悩みがたちまち雲散霧消して、時のたつの...... 続きを読む

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